65歳になる父がまだ「年金」を受け取れないのはなぜ?年金が受け取れない理由について、よくある2つのケースを紹介
配信日: 2025.02.20


執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年金受給資格を満たしていない
年金は原則65歳から受け取れるものですが、受給には年齢以外にも条件があります。
それは、原則として10年以上の加入期間です。この「加入期間」は単に年金制度に加入しているだけではなく、その間保険料を支払っている、あるいは猶予や免除を受けている状態など、それに準ずる状態でなければなりません。なお、厚生年金に加入している間もこの加入期間を満たすことになります。
もし父親が過去に保険料を支払わっていない期間や、何らかの手続きを取っていなかったような期間が多い場合、65歳になってもまだ受給資格を満たしておらず受給できないこともあります。特に自営業や無職だった時期が長い方にありがちなものになります。
過去の状況は日本年金機構のWEBサイト「ねんきんねっと」や最寄りの年金事務所で「年金加入記録」を確認することで、現在の加入期間を調べることができます。
また、加入期間が10年未満の場合、60歳以降も任意加入などを活用して受給資格を満たせる場合もあります。
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手続きに不備や遅れ
年金は65歳を迎えたからといって、自動的に支給されるわけではありません。受給を開始するためには「年金請求書」を提出する必要があります。
提出が遅れると、年金の支給が始まらず結果的に「年金をまだ受け取れていない」こととなるケースがあります。
年金請求手続きには、以下のような書類が必要です。
●年金請求書(年金事務所から送付される)
●本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
これらの書類が不備なく提出されないと、年金の受給が遅れる可能性があります。
請求手続きを行っていないかどうか、あるいは不備があったのかどうか現状不明である場合は、年金事務所に問い合わせて手続きを確認しましょう。必要に応じて再提出することで受給を開始できます。
支払い日が到来していない
年金請求をすると、その約60日後に年金証書が手元に届きます。年金を初めて受給できるのは、年金証書が送付された日から50日程度かかります。
「年金は基本的に年6回、偶数月の15日に支払われる」という点が大きく影響しています。
ただし、年金を2つ以上受け取る権利のある方など一部の方は、50日以上かかることもあるようです。
そして年金の受け取り開始月は、年金証書に記載された「受給権を取得した月」の翌月となります。
参考までに、各支払い月には原則としてそ該当月の前月と前々月に当たる、2ヶ月分が支払われます。例えば、6月に支払われるのは4月、5月の2ヶ月分です。1月当たりの支給額が8万円の方なら、実際には2ヶ月分まとめた16万円が支給されることになります。
まとめ
「65歳になったら、その当日に年金が振り込まれることになる」と勘違いしている方も少なくありませんが、実際には手続きや受給資格など、受給に当たって考えることが多くあります。
特に、手続きが必要なことなどは見落としがちな点です。
もし、自分の親が65歳になってもまだ年金を受け取れないという状況になってしまっても、落ち着いて一つずつ状況を確認してみてください。
どうしても分からないのであれば、最寄りの年金事務所へ確認するのもよいでしょう。
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 年金用語集さ行 受給資格期間
厚生労働省 老齢基礎年金 お手続きの完了について
執筆者:柘植輝
行政書士