「年金受給」は早める人と遅らせる人のどちらが多い? 調査結果から見える年金受給の動き

配信日: 2025.02.23

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「年金受給」は早める人と遅らせる人のどちらが多い? 調査結果から見える年金受給の動き
年金の受給開始時期は、早めるべきか、それとも遅らせるべきか迷うところです。実際のところ、どちらの選択をする人が多いのでしょうか。本記事では、最新のデータをもとに、早期受給と繰下げ受給、それぞれの傾向を詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金の繰下げ受給・繰上げ受給とは

国民年金(基礎年金)や厚生年金は、通常65歳から受給が始まりますが、60歳から75歳の間で受給開始の時期を選べます。65歳より前に受け取ることを「繰上げ受給」、66歳以降に受け取ることを「繰下げ受給」といい、それぞれ最短で60歳から、最長で75歳まで選択できます。
 

繰上げ・繰下げの仕組みと改正内容

繰上げ受給を選ぶと、65歳を基準に月ごとに年金額が0.4%の減額になります。繰上げ受給 を選ぶと、早く年金を受け取れるものの、65歳基準よりも毎月の受給額が減額されます。60歳から受給すると24%も減少するため、長生きした場合の総受給額が少なくなる可能性があるのです。
 
逆に繰下げ受給を選ぶと月に0.7%増額されます。繰下げ受給を選ぶと、受給開始を遅らせる代わりに、毎月の年金額が増加します。75歳まで繰り下げると受給額は84%増えるため、長生きするほど金額が増えます。
 
なお、2022年3月までは繰上げ時の減額率が月に0.5%、繰下げ可能な年齢は70歳までとされていました。しかし、2022年4月の法改正により、繰上げ時の減額率が月に0.4%に引き下げられ、繰下げ可能な年齢も75歳まで延長されたのです。
 
2022年の法改正により、より柔軟な選択が可能になりました。
 
これにより「できるだけ長く働いて年金を増やす」か、「早めに受給して生活資金を確保する」か、自分のライフプランに合わせた戦略を立てやすくなったといえます。健康状態や寿命の見通し、他の収入源の有無などを考慮し、自分にとって最適な受給開始時期を慎重に選ぶことが重要です。
 

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年金を繰上げ・繰下げ受給している人の割合

2021年度末の時点で年金の受け取りを早めた人は、基礎年金のみの対象者で27.0%、厚生年金受給者で0.6%の割合でした。一方、受け取りを遅らせた人は、基礎年金のみの対象者で1.8%、厚生年金受給者で1.2%となっています。
 
多くの人ができるだけ早く年金を受け取りたいと考えている一方で、年金額を増やすために受給を遅らせる選択をする人はまだ少ないという傾向を示しているといえます。
 

年金の繰上げ・繰下げ受給は寿命データを参考に

厚生労働省が公表した「令和5年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09年、女性は87.14年となっています。また、75歳まで生存する確率は男性が75.3%、女性が87.9%、90歳まで生きる可能性は男性で26.0%、女性で50.1%でした。統計上は男性の約3.85人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きることになっています。
 
年金の繰上げ受給や繰下げ受給を選択する際には、寿命の統計データを参考にしながら、自身の健康状態や生活設計に合わせた判断ができるでしょう。
 
このデータから考えると、特に女性は90歳以上まで生きる可能性が高いため、繰下げ受給を選んで毎月の年金額を増やすことで、長生きした場合に受け取れる総額を増やせるメリットがあります。一方、男性の場合も約3.85人に1人が90歳まで生きることを考えると、繰下げの選択肢は有効ですが、寿命のリスクも考慮する必要があります。
 

年金の受給を早める人の方が多い

調査結果によると、年金の受給を早める人の方が多いことが分かっています。具体的には、2021年度末時点で 基礎年金のみの受給者のうち27.0%が繰上げ受給 を選択しており、厚生年金受給者では0.6%が繰上げていました。
 
一方で、受給を遅らせた人(繰下げ受給)は、基礎年金のみの受給者で1.8%、厚生年金受給者で1.2% でした。
 
このデータから、多くの人ができるだけ早く年金を受け取りたいと考えている傾向が見て取れます。一方で、年金額を増やすために繰下げ受給を選択する人はまだ少数派であることが分かります。それぞれの特徴を把握し、自分にあった年金受給スタイルを選ぶことが大切です。
 

出典

厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方]第11 老齢年金の繰下げ受給と繰上げ受給
生命保険文化センター 老齢年金の繰上げ・繰下げ受給について知りたい
生命保険文化センター 老齢年金を繰上げ・繰下げ受給している人の割合はどれくらい?
厚生労働省 令和5年簡易生命表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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