同じタイミングで定年する友人は年金「20万円」もらえるそうです。一人でそれだけの年金受給できるのは、現役時代の稼ぎがよかったのでしょうか?

配信日: 2025.03.02 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
同じタイミングで定年する友人は年金「20万円」もらえるそうです。一人でそれだけの年金受給できるのは、現役時代の稼ぎがよかったのでしょうか?
将来もらえる年金額は、年金保険料の支払期間や現役時代の働き方などによって異なります。同じタイミングで退職する同僚と年金額が同じになるとは限らず、友人は20万円もらえるのに自分はそれよりも少ないといったケースも起こり得るでしょう。一人で20万円の年金受給ができるのは、現役時代の稼ぎがよかったのでしょうか。
 
そこで今回は、年金が高くなる条件について調べてみました。年金受給額の平均もご紹介しますので、老後生活を考える際の参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金が高くなる条件とは?

自身の老後生活を考える際に、実際にもらえる年金がどれくらいなのか気になるかもしれません。高い年金をもらうためのポイントとして、現役時代の稼ぎや各種制度の活用が挙げられます。ここでは、年金が高くなる条件をいくつかご紹介します。
 

現役時代の稼ぎがよく年金加入期間が長かった

会社員が加入している厚生年金の保険料は、毎月の給与・賞与に共通の保険料率を掛けて計算し、事業主と被保険者が半分ずつ負担します。給与については、一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて標準報酬月額が定められ、これを基に保険料や年金額の計算を行う仕組みです。
 
標準報酬月額は8万8000円(1等級)から65万円(32等級)まで分けられていて、等級に応じて1万6104円(折半額:8052円)から11万8950円(折半額:5万9475円)の保険料を納めることになっています。
 
つまり現役時代の稼ぎがよくて年金加入期間が長ければ、それだけ多くの厚生年金の保険料を納めていることになり、将来もらえる年金額も高くなると期待できます。
 

私的年金にも加入している

日本の年金制度は3階建ての構造です。1・2階部分の基礎年金・厚生年金は公的年金で、老後生活の基本を支える役割があります。3階部分は私的年金(企業年金・個人年金)で、老後生活の多様な希望・ニーズに応える役割があります。友人の受け取る年金が高い場合は、公的年金に加えて私的年金にも加入している可能性が考えられるでしょう。
 
私的年金は大きく確定給付型と確定拠出型の2種類に分けられます。確定給付型は加入期間に基づいて給付額が定められており、確定拠出型は拠出した掛け金額とその運用収益の合計額を基に給付額を決定することが特徴です。
 
確定給付型には「規約型確定給付企業年金」「基金型確定給付企業年金」、確定拠出型には「企業型確定拠出型」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」があります。
 

繰下げ受給をする

年金を65歳で受け取らずに、66歳以後75歳まで繰り下げると、増額した年金が受け取れます。増額率は繰り下げた「月数×0.7%」で、最大84%です。同じタイミングで定年する友人の年金額が多くなるのは、繰下げ受給を計画しているからなのかもしれません。
 
年金を受給するまでは、定年後もアルバイトとして働き続けたり、貯金を取り崩したりして、生活費を賄うことになるでしょう。
 

年金受給額の平均

そもそも将来もらえる年金がどのくらいなのか知りたい方もいるでしょう。日本年金機構の「令和6年4月分からの年金額等について」によると令和6年度の年金額は以下の通りです。

●国民年金:月額6万8000円
●厚生年金:月額23万483円

国民年金は老齢基礎年金を満額受給する場合の金額です。国民年金は、保険料を20歳から60歳になるまでの40年間納めることになっていますが、未納期間があると満額を受け取れません。
 
厚生年金の月額は夫婦2人分で、平均的な収入(賞与を含む月額換算で43万9000円)で40年間就業した場合を想定した金額です。老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準として参考にできます。
 
これはあくまでも年金額の例で、自身がもらえる年金額は現役時代の働き方や稼ぎなどによります。見込み受給額は「ねんきん定期便」などでも確認できますので、目安を知ったうえで老後生活の備えをするといいでしょう。
 

もらえる年金が高い友人は現役時代の稼ぎがよかった可能性あり! 私的年金への加入などでも年金は高くなる

同じタイミングで定年を迎える友人が、一人で年金「20万円」をもらえて自分よりも多い場合、現役時代の稼ぎがよかった可能性が考えられます。厚生年金は稼ぎがよければそれだけ保険料が高くなり、加入期間にも応じて年金額は多くなる仕組みです。それ以外に、私的年金への加入や年金の繰下げ受給などで、将来もらえる年金が高くなる場合もあります。
 
日本年金機構によると、令和6年度の年金額の例は、国民年金が満額で6万8000円、厚生年金は夫婦2人分の標準的な金額で23万483円であるとのことです。これはあくまでも年金額の例ですから、自身の見込み受給額については「ねんきん定期便」などで確認するといいでしょう。
 

出典

日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問