iDeCoの改正で、人によっては「年20万円」近く節税できるって本当ですか?「年収700万円」の50歳会社員を例にシミュレーション
配信日: 2025.03.12

本記事では、2025年度の税制改正の内容を踏まえ、年収700万円で50歳会社員の人を例として、iDeCoを利用することでもたらされる節税効果がどれほどになるのかを紹介し、注意点についても解説します。
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執筆者:小林裕(こばやし ゆう)
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
目次
iDeCoを利用するメリット
iDeCoは掛け金を全額「所得控除」できる点が大きな特徴です。「所得控除」により課税対象となる所得が減るため「所得税」や「住民税」が軽減され、節税につながります。また、所得税は累進課税であることから、年収が高い人ほど節税効果は大きくなると言えます。
なお、iDeCoはNISAと比較されることもありますが、NISAには「所得控除」による節税効果はありません。iDeCoは所得控除の恩恵を受けながら、資産形成をするための有力な選択肢の1つになります。
2025年度の税制改正でiDeCoの掛け金上限額が引き上げられることに
2025年度の税制改正により、iDeCoの掛け金上限額が下記のように引き上げられる見込みです。
会社員(企業年金なし):月額2万3000円 → 月額6万2000円
会社員(企業年金あり):企業年金との合算で月額5万5000円 →月額6万2000円(iDeCoの上限撤廃)
公務員:退職等年金給付との合算で月額5万5000円→月額6万2000円(iDeCoの上限撤廃)
自営業・フリーランス:国民年金基金と合算で月額6万8000円→月額7万5000円
上記のように、今までよりも大きな掛け金額を設定できるようになるため、より制度の利便性が高くなると言えるでしょう。
2025年度の制度改正をふまえた節税効果のシミュレーション
前項で記載したように、2025年度の制度改正によりiDeCoの利便性は向上します。ここからは実際にどれほどの節税効果があるのかをシミュレーションしてみます。
iDeCo公式サイトの「かんたん税制優遇シミュレーション」を利用し、年収700万円の50歳会社員が「毎月6万2000円(年間74万4000円)」を65歳まで拠出し続けたと仮定します。すると、「所得税」と「住民税」を合わせて「毎年およそ19万70円」の節税効果があるという結果になります。
上記シミュレーションから、「これほど節税効果が大きいのか」と感じられる人もいるのではないでしょうか。もちろん上記シミュレーションのように「毎月6万2000円(年間74万4000円)」を拠出できる人は多くないかもしれませんが、個々人の無理のない範囲で制度を活用してみるとよいでしょう。
iDeCo利用時の注意点
節税メリットが多いiDeCoですが、注意点も存在します。それは「60歳まで引き出せない」点です。iDeCoはあくまで「年金制度」の一環であり、NISAほど容易にお金を引き出せるわけではありません。60歳までの間に資金を引き出したい人や、余裕資金が乏しい人は無理に利用しないほうがよいでしょう。
また、iDeCoは運用益等については税制優遇がありますが、受け取り時は、受け取り方法や額によって、所得税が課税される可能性もあります。退職所得控除による税金の軽減効果はありますが、iDeCoの資産評価額が大きい場合などには課税額がより大きくなることから、注意が必要です。
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まとめ
本記事では2025年度の税制改正の内容を踏まえ、年収700万円で50歳会社の人がiDeCoを利用した場合の節税効果を紹介するとともに、注意点についても解説しました。
iDeCo は60歳まで引き出すことができないデメリットはありますが、節税メリットの大きい制度なので、ぜひ活用を検討してみてください。
出典
iDeCo公式サイト かんたん税制優遇シミュレーション
金融庁 令和7(2025)年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート