「地域」によってもらえる「年金額」に差はありますか? 平均年収や最低賃金が高い地域に住んでいる場合、その影響で将来の年金額も高くなるのか気になります
配信日: 2025.03.13

そこで気になるのが年金のこと。物価や賃金水準や平均年収は地域によって違いがあるのですが、年金額にも何らかの影響があるのでしょうか?

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
公的年金に地域差なし
住んでいる地域が平均年収や最低賃金が高い場合には、それに伴い生活にかかるコストも高くなることも少なくありません。そのような地域で生活しているとき、現役世代で収入を得続けているなら生活に困ることはないかもしれません。
しかし、セカンドライフに入り収入が年金に限られてしまったら、地域に見合うような年金額を手に入れたいと思うことは一理あるかもしれません。しかし公的年金の場合、地域によって支給される金額に違いはありません。
つまり、基本的な生活コストの高さ低さには関係なく年金額が決まっています。ただし、同じ勤続年数であっても、年収によって支払う年金保険料が違ってきますので、支払った年金保険料が多ければ、その分、支給される年金額は増えます。
平均年収や最低賃金が高い地域に住んでいる場合、他の同世代の人や同じ勤続年数の人に比べて、多くの年金額を受け取れる可能性は高くなることが考えられます。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
年金は物価スライド制。物価上昇に対応している
公的年金の場合、物価の変動に応じて支給額を見直す(改定)することになっています。これを物価スライド制と言います。そのため、物価が上昇したときには、支給される年金額も増えます。
2004年の年金制度改正では、現役世代の過重な負担を回避するため、社会情勢にあわせることになりました。これは、年金の給付額を物価や賃金の上昇率に合わせて調整するもので現役世代の保険料の負担を抑えるものです。
この制度のことを、マクロ経済スライドといいます。ただし、賃金の伸びがマイナスの際やデフレ下ではこの制度は適用しないことになっていますので、無条件に年金額が上昇することはありません。
年金額を増やすことを考えてみよう
生活コストがかかる地域に住んでいるなら、セカンドライフを迎えたときに得られる年金額を考えてもよいでしょう。
公的年金を増やしたいなら、定年退職の時期を先送りし、勤続年数を増やして年金支給額を増やすことを検討するのも手です。また、自分独自で年金支給額を増やしたいと考えているなら、iDeCoに加入するのもよいですね。
iDeCoとは、個人型確定拠出年金と言われており、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度のひとつです。公的年金は、一定条件の下、加入しなければならないものなのですが、iDeCoの加入は任意です。そのため、掛け金の拠出、掛け金の運用のすべてを自分で行わなければなりません。
iDeCoには税制上のメリットも多くあるため、注目を集めています。掛け金を拠出したときには所得控除が受けられ、運用中は非課税、年金を受け取るときには公的年金控除や退職所得控除が受けられます。
ただし、運用結果によっては掛け金以上のリターンが得られる可能性がありますが、運用結果によっては、受け取れる金額が掛け金を下回ってしまう可能性もありますので注意しましょう。
その他にも個人年金保険に加入するという方法もありますし、公的年金という概念にとらわれずに資産運用してセカンドライフに備えるという方法もあります。
もちろん、収入には限りがあります。生活コストを見直して節約することも大切です。
出典
厚生労働省 iDeCoの概要
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト