ねんきん定期便の「老齢年金の種類と見込額(年額)」に“21万円”と記載が! 去年は「これまでの加入実績に応じた年金額」だったけど、なにが違うの? 見るべきポイントを解説
50歳を迎えると、ねんきん定期便の「これまでの加入実績に応じた年金額」の項目が「老齢年金の種類と見込額(年額)」という新たな項目に変わります。本記事では、「見込額」欄の見方や「加入実績に応じた年金額」欄との違いについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「老齢年金の種類と見込額(年額)」では将来もらえる年金額が分かる
「老齢年金の種類と見込額(年額)」には、現在の加入条件のまま保険料を納め続けた場合にもらえる将来の年金額が記載されています。見込額が記載されているのは、50歳以上でまだ年金を受給していない人に送られてくるねんきん定期便に限られます。
見込額の項目で重要なのは、「(1)(2)の合計」と書かれた行の一番右に書かれている数字です。この金額が、基礎年金と厚生年金を合わせた将来もらえる見込みの年金額になります。
なお、厚生年金の欄には「特別支給の老齢厚生年金」という項目があります。これは、受給開始年齢である65歳より前に厚生年金の特別支給がある人のための項目で、記載がない場合は関係ありません。
特別支給の厚生年金は、男性なら1961年4月1日以前、 女性なら1966年4月1日以前に生まれた人が対象です。
加えて、基礎年金の受給資格期間があることや厚生年金等に1年以上加入していたことなど、条件を満たしている人であれば「特別支給の老齢厚生年金」という項目にいくら年金を受け取れるかが記載されています。
「これまでの加入実績に応じた年金額」は将来もらえる金額ではない!
50歳未満の人には見込額の記載がなく、代わりに「これまでの加入実績に応じた年金額」という項目があります。何が違うのでしょうか?
加入実績に応じた年金額は、これまでに支払った保険料をもとに計算された金額です。今後支払う保険料は考慮されていません。
いわば「仮にいま年金を受け取れるならいくらもらえるか」を示した数字であり、将来もらえる年金額とは異なります。50歳未満の人が将来受け取る年金額を知るには、厚生労働省が提供している「公的年金シミュレーター」などを利用する必要があります。
公的年金シミュレーターは、これまでの加入実績や収入を入力したり、ねんきん定期便から⼆次元コードを読み込んだりすることで簡単に将来の見込額を計算できるツールです。
見込額が昨年よりも減る場合があるのはなぜ?
「老齢年金の種類と見込額(年額)」に記載された数字は、年によって増減する場合があります。数字が減っているのを見ると不安に感じる人もいるでしょう。見込額が減る原因は、主に2つあります。
・加入状況が変わったから
・年金給付水準が変わったから
加入者の経済状況などが変わると、見込額は減る可能性があります。例えば、給料が減ってしまうと年金額を算出する標準報酬月額が下がってしまい、将来的に受け取れる金額が少なくなってしまうでしょう。
また、年金額は賃金や物価の変動率などに応じて毎年改訂されます。年金の受給額が引き下げられた場合も、見込額は減ってしまいます。
ねんきん定期便を読んで将来もらえる年金額を確かめよう
50歳になるとねんきん定期便に見込額が記載されるようになります。将来もらえる年金の額が一目で分かるため、必ずチェックしておきましょう。
50歳未満の人は加入実績に応じた年金額のみねんきん定期便に記載されています。そのため、将来の見込額を知りたい場合は公的年金シミュレーターなどを利用するようにしましょう。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
