3月で期限終了する「付加保険料の特例納付制度」とは
配信日: 2019.03.08 更新日: 2019.06.19
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
付加保険料とは
付加保険料とは、国民年金第1号被保険者が加入できる国民年金の上乗せ制度です。保険料は月額400円で、それに対して、将来受け取りが増える年金額は「200円×付加保険料納付月数」分です。具体的に計算してみましょう。
例えば、付加保険料を20年間納付したとします。トータルの納付額は以下の金額となります。
・400円×12ヵ月×20年=96,000円
一方、受け取る付加年金額は、以下の金額となります。
・200円×240ヵ月=48,000円
96,000円を納めると1年間で48,000円分の年金が増えることになります。つまり2年で96,000円を回収できるということです。日本年金機構のホームページにも「付加保険料を納めた分は、2年間でモトが取れます!」との記載があり、付加保険料は非常にお得な年金制度です。
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付加保険料の特例納付制度とは
付加保険料は、納期限を過ぎても期限から2年間は保険料を納めることができます。しかし、このようなルールが出来たのは2014年4月で、それ以前は1度でも保険料を滞納してしまうと、付加保険料を辞めたとみなされ、それ以降の保険料を納付することができませんでした。
たとえ、滞納後に納付したとしても、無効となり、後日返金されることになるのです。
そこで、付加保険料の納付を「辞めたとみなす」取り扱いを、「辞めたとみなさない」取り扱いに変更し、さらに期間限定で特例納付制度ができました。特例納付制度は、納付できなかった保険料を過去10年間まで遡って納めることができる制度です。
特例納付制度を利用できる可能性がある方には、「付加保険料特例納付制度のお知らせ兼付加保険料の特例納付申込書」が2018年11月下旬に日本年金機構より届いているはずです。
この申込書には、対象期間ごとに「○」印と「△」の印が記載されており、「○」は、付加保険料をさかのぼって納付することができる期間、「△」は、「辞めたとみなされた」にもかかわらず、付加保険料を払い続け、制度上、無効として扱われている期間(後日返金される予定の保険料がある期間)を表しています。
「△」がある方は、自分では納めているつもりだったのに、実はその保険料は無効だったということになります。申込書を返送することで、正式に納付済みの保険料として扱われます。
申込書未提出の場合は、返金されることになりますから、注意しましょう。この制度は2019年3月31日までの制度です。まもなく制度が終了するので、該当の方は、早めに手続きを行いましょう。
付加保険料と併用できる制度、できない制度
付加保険料は、国民年金の納付を免除されている方や、未納の方は納めることができません。また、国民年金基金に加入している方も納めることができません。iDeCoと付加保険料は併用可能です。
自分の年金を認識しておこう
年金の制度は複雑ですから、自分自身で納めたかどうか、把握できていないこともあるでしょう。しかし、その結果は自分の老後に返ってきます。老後不安をなくす第一ステップは自分の年金の管理です。後悔しないよう現役時代の今から、しっかり管理をしておきましょう。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者