姉が「50歳」で年金受給前に死亡。 これまで保険料を「1000万円」以上納めてたけど、返してもらえる? 遺族が受け取れるお金とは?

配信日: 2025.04.03

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姉が「50歳」で年金受給前に死亡。 これまで保険料を「1000万円」以上納めてたけど、返してもらえる? 遺族が受け取れるお金とは?
2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円となりました。また、厚生年金に加入している場合の保険料率は18.3%(事業主負担分含む)です。年金保険料を納付すれば将来の年金額に反映される仕組みですが、年金を受け取る前に亡くなった場合、これまで払った保険料はどうなるのでしょうか?
 
本記事では年金を受給する前に亡くなった場合、保険料の返還や遺族年金をもらうことができるのか? について紹介・解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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50歳で亡くなった場合の支払保険料の総額は?

20歳から国民年金に加入し、23歳から50歳まで年収400万円(標準報酬月額34万円)の会社員として厚生年金に加入した場合、30年で払う保険料(全て2024年度の保険料額を用いて計算)は以下のようになります。

●20~22歳:国民年金保険料1万6980円×36月=61万1280円
●23~50歳:厚生年金保険料3万1110円×324月=1007万9640円

30年間で支払う保険料総額は約1069万円です。なお、上記の厚生年金保険料に事業主負担分は加味していません。仮に事業主負担分も含めると保険料総額は約2077万円となります。
 

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保険料は返してもらえる? 遺族年金はもらえる?

厚生年金加入中に亡くなっても、保険料は返してもらえません。その代わりに遺族年金が支給されるケースがあります。
 
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、遺族基礎年金は、亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」か「子」が受給できます。
 
ただし、子とは18歳になった年度の3月31日までにある人(または、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人)をさします。そのため、遺族基礎年金は要件を満たす子どもがいない場合は受給することができません。
 
遺族厚生年金は、遺族基礎年金を受給できる遺族に加えて、子のない配偶者、父母、孫、祖父母も受給できます。
 
今回のケースでは、仮に会社を退職し厚生年金加入中でなかったとしても、保険料納付済期間が25年以上あるので、遺族厚生年金は発生します。
 
上記のような年金加入記録の人が50歳で亡くなった場合の遺族年金の金額は以下の通りです。

●遺族基礎年金:81万6000円+子の加算(1~2人目:23万4800円、3人目以降:7万8300円)
●遺族厚生年金:約45万円(全て平成15年4月以降の加入期間として計算)

子どもがいれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金を両方受給できます。また、子どもがいなくても、要件を満たせば、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算(61万2000円)がつく場合があります。
 

遺族年金以外の死亡保障は?

遺族基礎年金は、子どもがいない場合またはすでに子どもが大学生以上になっている場合は受給できません。遺族厚生年金は、未婚で両親や祖父母がすでに亡くなっている場合は受給できる遺族がいないため、受給することができません。
 
ただし、国民年金の独自給付に死亡一時金があり、国民年金第1号被保険者期間が36月以上ある場合で、老齢または障害基礎年金を受給せずに亡くなり、遺族基礎年金を受け取れる遺族がいない場合は、加入期間に応じて12~32万円の死亡一時金が生計を同じくする兄弟姉妹に支給されます。
 

まとめ

20歳から国民年金に加入し、23歳から50歳まで年収400万円の会社員として厚生年金に加入した場合、保険料総額は自己負担分だけでも1000万円を超えます。年金を受け取る前に亡くなった場合、保険料は返ってきませんが、遺族年金を受給できる場合は遺族年金が発生します。
 
しかし、未婚で両親や祖父母がいないなどの場合は遺族年金は発生せず、国民年金第1号被保険者期間に応じて死亡一時金が支給されます。ただし、最高でも32万円の支給となり、支払った保険料を考えると払い損という形になってしまいます。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 死亡一時金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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