祖母の持ち物から「緑」の年金手帳が出てきました。なぜ色が違うのでしょうか?
配信日: 2025.04.06


執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
年金手帳は発行されたタイミングで色が違う
年金手帳の色の違いは、発行されたタイミングによって違いがあります。年金手帳の疑問としてよく挙げられる、オレンジ色か青色かよりも前の話しから遡る必要があります。
おばあさまがお持ちになっている年金手帳が緑色ということは、以前発行されていた厚生年金の年金手帳であり、1954年5月以降に発行された手帳となります。もちろん、色の違いがありますが、正式な年金手帳に違いはありません。
今は厚生年金と国民年金の手帳は統一されて1つの手帳になっていますが、以前は厚生年金と国民年金で色が違っていました。その理由としては、国民年金に先んじて厚生年金の方が早くスタートしたからなのです。
国民年金の色も何度か変更されていて、水色からスタートしてカーキ色、茶色というように変わってきました。
2つの年金制度が統一されたのは1974年11月からとなっています。そのときから発行された年金手帳が多くの人が目にしたことのあるオレンジ色の年金手帳です。
オレンジ色の年金手帳は厚生年金と国民年金が統一されていますので、厚生年金の番号とともに国民年金の番号も記録されています。また、他の年金制度に移った場合であっても、新しく年金手帳の交付を受けずに済むように改善されています。
なお1997年1月から基礎年金番号が導入されたタイミングで年金手帳の色もオレンジ色から青色へと変わっていったのです。
簡単ではありますが、流れをまとめてみました。当初は年金制度が分かれていたために複数の年金手帳を持っている人がいたり、年金手帳が発行されたタイミングによって、色の違う手帳を持っていたりするケースがあるのです。
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基礎年金番号通知書へ移行
ただし、最近就職した人の場合、年金手帳そのものがない、知らないという人もいます。その理由としては、2022年3月31日で年金手帳の発行は廃止されてしまったからなのです。
現在では年金手帳の発行ではなく、代わりに基礎年金番号通知書が発行されることになりました。すでに年金手帳を持っている場合で基礎年金番号を確認したいときには、年金手帳に記載されている基礎年金番号が、その番号になります。
年金手帳をなくしたらどうなるの?
年金手帳をなくしてしまったので、再発行したいという人もいるのではないでしょうか?
上記で説明した通り、年金手帳は基礎年金番号通知書に移行していますので、新たに年金手帳を発行してもらうことはできません。年金手帳をなくしてしまった場合には、基礎年金番号通知書を再発行してもらうことになります。
また、基礎年金番号通知書をなくしてしまったときも同様で、基礎年金番号通知書を再発行してもらうことになっています。
すでに年金を受給している人で年金手帳もしくは基礎年金番号通知書をなくしてしまった場合には、再発行の必要はあく年金証書が基礎年金番号通知書の代わりになります。
共済組合のみに加入している人は「ねんきんダイヤル」に電話する、もしくは近くの年金事務所に出向いて用紙を入手して下さい。
国民年金や厚生年金保険に加入している、もしくは過去に加入していたことのある人の場合には、基礎年金番号通知書再交付申請書を提出しなければなりません。提出先は年金事務所なのですが、加入状況によって住まいの近くの年金事務所か勤務先の事業所の所轄の年金事務所というように違いがあります。
どこに提出したら良いのか分からないときには、勤務先の担当者や年金事務所に問い合せしてみましょう。
出典
日本年金機構 Q 年金手帳や基礎年金番号通知書をなくしたのですが、再発行はできますか。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト