夫に「高額の生命保険」を検討中だけど、「遺族年金があるから無駄じゃない?」と言われた! 本当に高い保険に入る必要はないの?「年収500万円」の夫と子どもがいるケースで解説

配信日: 2025.04.22 更新日: 2025.10.21
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夫に「高額の生命保険」を検討中だけど、「遺族年金があるから無駄じゃない?」と言われた! 本当に高い保険に入る必要はないの?「年収500万円」の夫と子どもがいるケースで解説
万一の備えとして、生命保険に加入している人は多くいます。とはいえ、遺族年金の金額によっては、高額な生命保険に入ると過剰な保険となる可能性もあります。
 
本記事では、夫の年収が500万円で、小学1年生の子どもがいる家庭を想定し、受け取れる遺族年金の金額や、遺族年金だけで生活できるのか、高額な生命保険に加入する必要はあるのか解説します。
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遺族年金の種類と受給額の計算方法

夫が会社員の場合、「国民年金」と「厚生年金」に加入しており、条件を満たせば、万一の際には残された遺族に「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が支給されます。
 
それぞれの仕組みや金額を見ていきましょう。
 

遺族基礎年金

「遺族基礎年金」は、国民年金に加入している人(もしくは厚生年金加入者で一定の条件を満たす人)が亡くなった場合に支給されます。そして、遺族基礎年金は基本的には18歳になった年度の3月31日までの子どもがいる間受け取れます。
 
遺族基礎年金の金額は、基本額が年間で81万6000円(2024年度)です。また、子どもが1人いる場合、プラスして23万4800円も受け取れます。
 
今回のケースでは小学1年生の子どもがいますので、2つ合わせた105万800円が年間で受け取れる遺族基礎年金の金額です。
 

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた人が亡くなった場合に支給されます。そして、受け取れる遺族厚生年金の金額は次のとおりです。

・平均標準報酬額×5.481/1000×厚生年金の加入月数×3/4

夫の年収が500万円の場合の標準報酬額は41万円ですので、仮に会社員生活が20年間とすると、遺族厚生年金の金額は年間で40万4498円です。
 

遺族年金の合計額

今回の前提では、夫に万一のことがあった際に遺族年金(基礎年金+厚生年金)として、145万5298円が年間で受け取れます。この金額を月額に換算すると約12万1000円です。
 

遺族年金だけで生活できるのか?

遺族年金の約12万円だけで生活できるかどうかは、居住地や現在の生活様式などによるため、一概にはいえません。とはいえ、一般的に都心の場合はファミリー向け物件の家賃が10万円近くすることが多いため、都心でアパート暮らしの場合は食費や光熱費、子どもの教育費などを考えるとかなり厳しいと考えられます。
 

高額の生命保険は必要か?

ここまでの結果を見て、高額な生命保険は必要なのでしょうか?
 
仮に遺族年金だけでは生活が厳しいことを考えると、ある程度の保障は必要ですが、以下のポイントを考慮して適切な金額を設定しましょう。
 
まずは、夫に万一のことがあった後の生活費を試算します。そのうえで、遺族年金だけでどれだけ不足するのかをシミュレーションしましょう。シミュレーションの際には、現状だけでなく、子どもの進学資金(高校・大学など)も考慮したいところです。
 
不足額を大まかにでも試算したのちに、自分の就業状況と収入見込みを考えます。現在働いている場合は、その金額で足りるのか、足りない場合は働き方を変えるのかなどを考えることが大切です。
 
これらを考慮したうえで、適切な金額の生命保険の設定を考えましょう。
 

まとめ

夫の年収が500万円で小1の子どもがいる場合、遺族年金として年間約145万円(月額約12万円)が受け取れます。しかし、特に都心でアパート暮らしの場合、生活費を賄うのに遺族年金だけでは足りないことが想定されます。
 
しっかりとシミュレーションをしたうえで、自身の働き方の見直しや生命保険を含め、補填(ほてん)の方法を検討しましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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