数年前に父が亡くなり「年金生活」の母。年金額は専業主婦だと「月7万円」ほどだと思うのですが、さすがに生活が厳しいように感じます。子どもとして“援助”すべきでしょうか?

配信日: 2025.05.03 更新日: 2025.10.21
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数年前に父が亡くなり「年金生活」の母。年金額は専業主婦だと「月7万円」ほどだと思うのですが、さすがに生活が厳しいように感じます。子どもとして“援助”すべきでしょうか?
自分が年を重ねるにつれ、両親の生活が気になってくる人もいるのではないでしょうか。両親が2人とも元気であればまだしも、父親が亡くなり母親1人の場合、「年金だけで生活は大丈夫? 金銭的な援助をしたほうが良い?」と悩む人もいるかもしれません。
 
特に、ずっと専業主婦だった母親の場合だと、受け取る年金は国民年金(基礎年金)だけのはずなので、「月7万円では生活が厳しいのでは?」と心配になるのではないでしょうか。
 
本記事では、母親が実際にどれくらいの年金を受け取っている可能性があるのか、そして子どもとしてできる援助の方法について解説します。
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専業主婦だった母の年金は月7万円程度?

母親がずっと専業主婦だった場合、受け取れる母親自身の年金は基本的に基礎年金のみです。基礎年金は満額でも月額約7万円ですので、これが母親自身の収入となります。
 
一方、一人暮らしの高齢者の生活費は、家賃や医療費などによって変わりますが、総務省の2024年「家計調査報告」によると65歳以上の単身無職世帯の平均支出は約16万円となっています。7万円の年金だけでは生活が厳しい可能性が高いでしょう。
 
しかし、実際にはこの7万円に加えて「遺族年金」を受け取っている可能性があります。
 

母親は遺族年金を受給できる?

父親が会社員として厚生年金に加入していた場合、母親は遺族年金として遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取れるかもしれません。
 
まず遺族基礎年金ですが、こちらを受給するには、18歳になった年度の3月31日までにある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子を養育している必要があります。
 
要件を満たしている場合、遺族基礎年金は年間で83万1700円、さらに子どもが1人または2人いる場合は1人につきプラス23万9300円、3人目以降は1人につき7万9800円が支給されます。
 
次に、会社員で厚生年金に加入していた夫が亡くなった場合、妻は基本的には遺族厚生年金を受給可能です。そして、遺族厚生年金の受給額は夫の厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です。
 
報酬比例部分は次の計算式で求められます。
 
・平均標準報酬額×5.481/1000×厚生年金の加入月数
 
このように、遺族厚生年金は夫の年収と厚生年金の加入期間=会社員期間によって変わってきます。仮に、夫が平均年収500万円で40年間勤めていたとすると、報酬比例部分は107万8661円となり、遺族年金としてはその4分の3の年間約80万円(月額約6万7000円)が受給金額です。
 
つまり、夫が年収500万円で40年間働いていた場合、対象年齢の子どもを扶養していなくとも、自分の老齢基礎年金(月額約7万円)に加え、夫の遺族厚生年金(月額約6万7000円)で合計約14万円が受け取れます。
 
この金額であれば、家賃の有無や生活スタイルによっては、自立した生活を送ることもできるでしょう。
 

子どもとして援助すべき?

子どもとして母親に対して金銭的な援助をする前に、まずは母親と話し合い、現状をしっかり確認することが重要です。その際には、現在の年金収入はいくらか(遺族年金はもらっているのか)、生活費はいくらかかっているのか、貯蓄はどれくらいあるのか、年金以外の収入はあるのかなどを確認しましょう。
 
年金だけでは足りないと感じていても、実際には貯金を切り崩したり就業したりで生活できている場合もあります。逆に、思った以上に生活費がかかり、貯蓄も少ない場合は、何らかの援助が必要かもしれません。
 
なお、援助は金銭的なものだけではありません。定期的に訪問して買い物を手伝ったり、ネットスーパーの注文をサポートしたりするだけでも母親の負担は軽減できるでしょう。
 
また、一人暮らしの高齢者は、金銭的な問題以上に孤独を感じることが少なくありません。電話やビデオ通話で定期的に話をしたり、週末に食事に誘ったりするだけでも、精神的な支えになり得るでしょう。
 

まとめ

専業主婦だった母親が年金生活をしている場合、「月7万円では厳しいのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、遺族年金を受け取り、トータルで15万円ほどの収入がある可能性もあります。
 
まずは親としっかり話し合い、本当に援助が必要かどうかを確認することが大切です。そのうえで、金銭的な援助が必要なら無理のない範囲で検討し、金銭以外のサポート(買い物、交流など)も考えるとよいでしょう。
 
親の生活を支える方法は1つではありません。状況に応じて、子どもができる範囲でサポートすることが、親にとっても自分にとっても最善の選択となるでしょう。
 

出典

総務省 家計調査報告〔家計収支編〕 2024年(令和6年)平均結果の概要
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和7年度版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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