専業主婦で年金が「月6万円」の母。生活費には足りないので受給を「70歳」からにすると、最大いくら増える? 金額を試算

配信日: 2025.05.04 更新日: 2025.10.21
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専業主婦で年金が「月6万円」の母。生活費には足りないので受給を「70歳」からにすると、最大いくら増える? 金額を試算
専業主婦(夫)として長年家庭を支えてきた人は、一般的に第3号被保険者として国民年金に加入しており、65歳以降は老齢基礎年金を受給することになります。しかし、その受給額は満額で月額6万9308円(2025年度)と、生活費を賄うには十分でないと感じる人も多いでしょう。
 
「もっと年金受給額を増やしたい」という場合、年金の受給開始を繰り下げるという方法があります。
 
本記事では、繰下げ受給の仕組みや注意点について解説します。
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専業主婦の年金受給額とは?

専業主婦(国民年金第3号被保険者)の人が受け取る老齢基礎年金は、2025年度は満額で年間83万1696円(月額6万9308円)です。
 
これは、40年間(480ヶ月)の保険料納付期間を満たした場合の金額であり、納付期間が短い場合は減額されます。そのため、本記事のように、国民年金に加入してきたものの、月額で6万円の受給金額という人も珍しくありません。
 
一方、会社員などで厚生年金に加入していた人は、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受給できます。そのため、専業主婦の人の年金受給額は、厚生年金加入者と比較すると少ないと言えます。
 

繰下げ受給とは?

年金の受給開始年齢は、原則として65歳ですが、受給開始年齢は66歳から最大75歳まで繰り下げることが可能です。そして、1ヶ月繰り下げるごとに、年金額は65歳からもらうはずだった金額に0.7%増額されます。
 

「月6万円」の人は70歳まで繰り下げるといくらになる?

65歳から年金を受け取り始めると月6万円の人は、70歳に繰り下げるといくらもらえるのでしょうか。
 
前記した通り、年金は1ヶ月繰り下げるたびに0.7%の増額率が加算されます。そのため、65歳から70歳までの5年間(60ヶ月)繰り下げた場合、0.7%×60ヶ月=42%の増額率となります。
 
よって、70歳まで繰り下げた場合に受け取れる月額の年金額は、6万円×142%=8万5200円です。月額で2万5000円以上増えるのはかなりの増額といえるのではないでしょうか。
 
年金は一度もらい始めると生涯受け取ることが可能です。人生100年時代と言われる昨今において、長生きすればするほど、結果的に増額の恩恵も大きくなり受け取る年金総額が増える可能性があります。
 

繰下げ受給の注意点

繰下げ受給をすると毎月の年金受給額を増やせますが、注意点もあります。
 
まず、受給開始前の収入源の確保です。繰下げ受給するための待期期間は年金を受け取れないため、その間の生活費をほかの手段で補う必要があります。繰下げ受給をする場合、生活費を貯蓄や就業でまかなえるかを確認しましょう。
 
また、早期死亡リスクも考慮しなければなりません。もしも繰下げ待機している間に死亡してしまうと、年金を受け取れないままになってしまいます。また、受け取り始めても、例えば70歳から受け取り始めて71歳で亡くなってしまうと、トータルの受給金額は65歳からの場合よりも少なくなってしまいます。
 

まとめ

専業主婦(夫)として第3号被保険者であった人が、月6万円の年金の受給開始を70歳まで繰り下げると、65歳からの場合と比べて月額約2万5000円、年間で約25万円の増額が期待できます。しかし、繰り下げ期間中の生活費の確保や健康状態の変化など、慎重に検討すべき要素も多く存在します。
 
ライフプランや家族の状況を踏まえ、最適な受給開始時期を選択しましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金の繰下げ受給
厚生労働省 令和7年度の年金額改定についてお知らせします
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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