母親から「4月から年金が増えるはずなのに、前と同じ44万円のまま」と電話が! 2025年度から「1.9%増」のはずですが、年金事務所に問い合わせたほうがいいでしょうか…?

配信日: 2025.05.11 更新日: 2025.10.21
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母親から「4月から年金が増えるはずなのに、前と同じ44万円のまま」と電話が! 2025年度から「1.9%増」のはずですが、年金事務所に問い合わせたほうがいいでしょうか…?
ここ数年はさまざまな物の値段が上がっています。総務省が発表した消費者物価指数の2024年総合指数は、前年に比べ2.7%上昇しています。
 
物価が上がっている分、収入が増えなければ生活が苦しくなるため、年金の支給額は物価などの動向を加味して年度ごとに改定されます。しかし、実際に年金支給額が改訂されたとき、4月に振り込まれる年金額から反映されるわけではないことを知っていますか?
 
本記事では、2025年度に改定された年金支給額や、改定後の年金額で支給が開始される時期などについて解説します。
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2025年度の年金支給額は前年比で1.9%増

年金支給額は、毎年度、物価の変動率や年金制度を支える現役世代の負担能力などをふまえて決定した改定率によって調整される仕組みとなっています。2025年度の年金支給額は、前年度に比べ1.9%増となっています。改定前後の支給額の目安は図表1の通りです。
 
図表1


厚生労働省 令和7年度の年金額改定についてお知らせします より筆者作成
 
国民年金の支給額6万9308円(対前年度比1308円増)は、老齢基礎年金を満額受け取る場合の1人あたりの金額です。なお、1956年4月1日以前生まれの人は、月額6万9108 円(対前年度比1300円増)です。
 
厚生年金の支給額23万2784円(対前年度比4412円増)は、男性の平均的な収入(平均標準報酬45万5000円)で 40 年間就業した場合の老齢厚生年金と、夫婦2人が老齢基礎年金(満額)を受け取る場合の合計金額です。
 

年金は過去2ヶ月分をまとめて偶数月に支給される

年金は2ヶ月に1回支給されることになっており、原則として偶数月の15日に支払われます。支給される金額は、支給月の前月までの2ヶ月分がまとめて支給されます。例えば、4月に支給される年金は、2月分と3月分の2ヶ月分です。
 
2025年度の年金支給額の改定は、2025年4月分から反映されます。このため、2025年度の改定が反映された年金額を実際に受け取れるのは、6月の支給(4月分と5月分の2ヶ月分)からです。
 

自分がいくら支給されるか確認するには?

先ほど解説した年金支給額の目安は、一定の条件に基づく支給額の一例です。実際に支給される金額は、国民年金保険料納付月数や厚生年金に加入していた月数、厚生年金加入中の平均的な年収などの要素によって、個人ごとに異なります。
 
2025年度の改定をふまえ、自分の支給額が実際にいくらなのかを知るには、「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」を確認するようにしましょう。
 
年金額改定通知書は、年度ごとに改定された年金額を通知するためのもので、年金振込通知書は、6月から翌年4月までの各支給月に支払われる年金額が具体的に記載されています。
 
この2つは、年金を受給している人に、1つのはがきとしてまとめられた状態で郵送されます。原則として年1回、6月に送付されますので、忘れずに確認しましょう。
 

2025年度に改定された額で年金が支給されるのは6月から

2025年度からの年金支給額は、前年度に比べ1.9%増えることが決まっています。各支給月には、原則としてその前月までの2ヶ月分の年金がまとめて支払われるという仕組みから、2025年度の改定が反映された金額で年金が受け取れるのは、2025年6月の支給からです。
 
自分の年金支給額は6月頃に送付されてくる年金額改定通知書・年金振込通知書で確認できます。年金支給額を正しく把握して、家計管理を考えましょう。
 

出典

厚生労働省 令和7年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 年金はいつ支払われますか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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