私は「年収500万円」、妻は「年収300万円」です。老後は夫婦で合計「月20万円」の年金を受け取りたいのですが、今の年収でも可能ですか?
今回は、年収500万円と年収300万円で年金は合計いくらもらえるのか、また老後の生活費目安、老後に必要なお金を考えるコツなどについて紹介します。
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年収500万円と年収300万円の年金額はどのくらい?
今回は、以下の条件で年金額を求めます。
・国民年金(老齢基礎年金)は満額納付している
・老齢基礎年金額は令和7年度のものとする
・勤務期間の年収は一定とする
・「年収÷12ヶ月」を報酬月額とする
・賞与は考慮しない
・厚生年金(老齢厚生年金)には平成15年4月以降、22歳0ヶ月~64歳11ヶ月まで加入
・報酬比例部分を老齢厚生年金額とする
国民年金を満額納付した場合、令和7年度時点での年金額は毎月6万9308円、年83万1696円です。また、年金額の計算の基礎となる報酬比例部分は「平均標準報酬額×5.481÷1000×厚生年金の加入月数」で求められます。
年収500万円のとき、報酬月額は約41万6667円、厚生年金保険料額表から標準報酬月額は41万円になります。報酬比例部分の計算式に当てはめると「41万円×5.481÷1000×504ヶ月(42年)」となり、老齢厚生年金額は約113万2594円です。老齢基礎年金と合計すると、受け取れる年金額は196万4290円、月額約16万3691円になります。
年収300万円のときは、報酬月額が25万円、標準報酬月額は26万円です。報酬比例部分に当てはめると「26万円×5.481÷1000×504ヶ月(42年)」なので、老齢厚生年金額は約71万8230円になります。老齢基礎年金額と合計すると154万9926円、月額約12万9161円です。
年収500万円と年収300万円の年金額を合計すると、年351万4216円、月29万2852円を受け取れることになります。
なお、今回は42年間厚生年金に加入し続けた場合で計算しているため、個人事業主や途中で離職した場合は想定していません。また、22歳から年収500万円、もしくは年収300万円の一定であると仮定した試算のため、あくまでも参考値としてください。
老後に必要な生活費には足りる?
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均消費支出は月25万6521円、社会保険料などの非消費支出は月3万356円で合計28万6877円でした。今回のケースだと年金は夫婦で合計月29万2852円を受け取れる計算なので、平均支出と同程度の年金額となり老後の生活費には足りるでしょう。
ただし、入院や通院、施設への入所など急な出費に備えるため、ある程度の貯金があるとゆとりある老後生活を送れると考えられます。老後のライフスタイルも考えながら、目標金額を決めて貯金を始めておくことをおすすめします。
老後に必要なお金を考えるコツ
老後のお金を考えるときは、生活費のほかに必要な費用を求めましょう。例えば、キャンプや旅行に頻繁に行きたいのであれば、1回あたりにかかる金額を基に月何回行くのか、どれくらいの期間行くのかなどを決めて算出します。
また、子どもや孫がいるなら、子どもや孫に渡すお年玉やプレゼントの費用も考慮するとよいでしょう。これらを踏まえたうえで、老後の目標貯金額を決めて貯金していきます。
なお、目安金額が分からないときは、老後に余裕のある暮らしをするために必要な費用目安を参考にすることもおすすめです。公益財団法人生命保険文化センターによると、ゆとりある老後を送るための生活費目安は月に約38万円とされています。
もしこの金額を目安にするなら、夫婦の年金額を合計しても月に約9万円不足する計算です。65~90歳までの費用を貯金すると考えると、「9万円×12ヶ月×25年」の2700万円が貯金額の目安になります。
年金受給額と老後の生活費を試算し、将来を考えよう
今回の試算では、年収500万円と年収300万円の夫婦の場合、年金額合計は年351万4216円、月29万2852円となります。
しかし、老後の平均支出は消費支出と非消費支出を合計して28万6877円です。年金だけでも足りますが、趣味や急な出費に備えるならある程度、貯金もあったほうがよいでしょう。
老後に向けての貯金額は、老後のライフプランを考えて決めることがおすすめです。もし具体的な案が浮かばないときは、ゆとりある老後の生活費目安である月38万円を参考にするとよいでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要 Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
