実家を掃除していたら「年金手帳」が複数出てきました。青色のものが1つあればほかは処分してよいのでしょうか？

実家を整理していたら、思いがけないものが出てくることがあります。
古いアルバムや手紙と並んで、見つかると戸惑うものとして「年金手帳」があげられます。
しかも、1冊ではなく複数出てきた場合、どう扱うべきなのでしょうか。
 
そんな素朴な疑問に今回はお答えしていきます。

現在の年金手帳の種類は「青色」

まず、年金手帳は発行された年代によってカバーの色が違います。かつては、オレンジ色や水色、薄だいだい色といった手帳が発行されていましたが、1997年に「基礎年金番号」が導入されたことをきっかけに、現在では青色のカバーに統一されました。
 
青色の手帳には、すべての年金記録を一元管理できる「基礎年金番号」が記載されています。そのため、もし青色の年金手帳が手元にあるなら、基本的にはそれを1冊大切に保管しておけば問題はないでしょう。
 

年金手帳を複数持っているケースとは？

年金手帳が複数出てくる理由には、どのようなものがあるのでしょうか。考えられるケースをいくつかご紹介します。
 

過去に再発行をしたケース

2022年4月1日以降、年金手帳の発行は廃止されていますが、それ以前であれば、紛失などの理由により年金手帳の再発行を受けることができました。再発行された場合は新しい年金手帳が交付されるため、古い手帳と合わせて複数冊が手元に残るケースもあります。
 

別々の年金制度に加入していたケース

国民年金、厚生年金、共済年金など、別々の年金制度に加入していたケースです。1997年以降、年金の加入記録は基礎年金番号に統一されたため、一人一つの番号を持つことになりました。
 
しかし、それ以前は年金制度ごとに異なる運営主体が管理していたため、それぞれ別の番号が割り当てられていました。そのため、新たな制度に加入するたびに新しい年金手帳が交付され、結果として一人が複数の手帳を所持することになったと考えられます。
 

複数の年金手帳が見つかった場合の対処法

複数の年金手帳が手元に見つかった場合、どのように対処すればよいのか確認しておきましょう。ポイントは、手帳の色や記載内容に応じて適切に対応することです。
 

すべて青色の年金手帳だった場合

すべて青色カバーの年金手帳であった場合は、まずそれぞれに記載されている「基礎年金番号」を確認しましょう。
すべての手帳が同じ基礎年金番号で管理されていた場合、いずれか1冊を保管し、残りは破棄することが可能です。
 
ただし、年金手帳には個人情報が含まれています。処分する際はそのまま廃棄せず、シュレッダーにかけるなどして個人情報が漏れないよう十分に注意しましょう。
 

青色とほかの色の年金手帳だった場合

青色の年金手帳と、オレンジ色など異なるカバーの手帳が混在している場合、基礎年金番号で管理できない記録がある可能性があります。念のため、一度年金事務所に相談することをおすすめします。
 

青色以外の年金手帳だった場合

まずは、基礎年金番号通知書が手元にあるか確認しましょう。通知書が手元に残っている場合、そこに記載されている番号が自身の基礎年金番号となります。
 
手元に残っていない場合は年金事務所に連絡し、基礎年金番号通知書を再発行するための手続きが必要です。
 

名字の違う年金手帳だった場合

結婚や改名によって以前の名字で発行されている場合もあり、単純にカバーの色だけでは判断できないケースもあります。そのまま放置していると、年金受給時にトラブルになる可能性もあるため、早めに年金事務所へ相談することをおすすめします。
 

青色カバーと基礎年金番号を確認すれば安心して整理できる

年金手帳が複数見つかると戸惑いますが、以下のポイントをおさえることが重要です。

●青色カバーの手帳があれば原則問題はない
●基礎年金番号が同じか確認することが重要
●異なる番号やカバーの手帳がある場合は、年金事務所に相談

年金手帳は、将来の年金受給に直接かかわる重要な書類です。一見不要そうに思えても、しっかり確認してから整理しましょう。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー