来月65歳になる夫、退職後は「年金生活」の予定です。長年「専業主婦」だった私はいくらくらい「年金」がもらえるのでしょうか?

配信日: 2025.05.27 更新日: 2025.10.21
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来月65歳になる夫、退職後は「年金生活」の予定です。長年「専業主婦」だった私はいくらくらい「年金」がもらえるのでしょうか?
長年専業主婦で、国民年金のみに加入していた方の中には、将来受け取れる年金額が少ないのではないかと不安に感じている方がいるかもしれません。夫が定年退職を迎え、老後は年金生活となる場合、自分はどれくらい年金がもらえるのか気になる方もいるでしょう。
 
そこで本記事では、国民年金の平均的な年金受給額をご紹介し、厚生年金に加入している方とどれだけ差があるか解説します。
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国民年金のみに加入していた女性の年金受給額は「平均5万5777円」

国民年金の加入者は制度上、職業などによって3つの区分へ分けられます。
 
一般的に、専業主婦の方は会社員である夫の扶養に入るケースが多いでしょう。会社員や公務員として働く方は、「第2号被保険者」といい、国民年金だけでなく、厚生年金へ同時に加入しています。
 
日本年金機構によれば、この第2号被保険者の扶養に入っている20歳以上60歳未満の配偶者で、年収が130万円未満かつ配偶者の年収の2分の1未満の方を「第3号被保険者」といいます。第3号被保険者は自身で保険料を納める必要はありませんが、老齢厚生年金を受け取れないため、第2号被保険者よりも年金受給額が少なくなる傾向にあります。
 
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の受給権者における女性の平均年金月額は「5万5777円」です。
 
なお、夫が自営業者や農業者などの「第1号被保険者」の場合、妻も第1号被保険者に該当します。第1号被保険者も基本的に国民年金のみの受給となるため、年金受給額は第3号被保険者と同じくらいと考えてよいでしょう。
 

厚生年金に加入している場合と比べて「月額5万円以上」年金受給額が少ない可能性も

具体的な金額に注目した場合、これら第2号被保険者と第3号被保険者では、どのくらい受給額に差があるのでしょうか。
 
同じく厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、会社員などとして厚生年金に加入している女性受給権者の平均年金月額(老齢基礎年金月額を含む)は「10万7200円」です。
 
つまり、同じ女性であっても国民年金のみに加入していた方と厚生年金加入者では、10万7200円-5万5777円=5万1423円程度、年金受給額に差が生まれる可能性があります。
 

国民年金第3号被保険者は縮小・廃止の議論も

おもに専業主婦(主夫)が該当する国民年金第3号被保険者は、将来的に縮小・廃止の議論が進められていることも、年金受給額に影響してくる可能性があります。この議論の背景としては、現状では第3号被保険者の保険料を、第2号被保険者全体で負担しているため、個別に保険料を納める必要がないという点が挙げられます。
 
このことから、共働き世帯や単身世帯と比べると、保険料を納めない第3号被保険者と保険料を納める第1号被保険者や第2号被保険者では、給付と負担の関係が不公平という意見があるようです。
 
また、年収が一定を超えると第3号被保険者ではなくなるため、扶養を外れないために就業調整を行う方も見受けられ、少子高齢化や人材不足などが大きな課題となる中、働き控えの要因となっている可能性があります。
 
女性の就労障壁や企業の人手不足を解消するために第3号被保険者の廃止や見直しが議論されていることから、制度の改正が行われる可能性、およびそれによって年金受給額が上下する可能性があることを覚えておいた方がよいかもしれません。
 

まとめ

第3号被保険者に該当する専業主婦などの平均的な年金受給額は5万5777円と、厚生年金に加入している方と比較して、5万円以上差があるようです。
 
今回のケースでは、夫の退職後は、収入源が減ってしまい、現役時代と同じ生活を維持することが難しいかもしれません。節約できるところで節約し、限られた収入の中でうまくやりくりできるようにしましょう。
 

出典

厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 (参考資料3)厚生年金保険(第1号) 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数(26ページ)、(参考資料4)国民年金 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数(27ページ)
日本年金機構 年金用語集 た行 第3号被保険者
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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