【試算】今年から年金「月15万円」の受給が開始! でも“手取り”はもっと少ないって本当? 年金だけではいくら生活費が足りないでしょうか?
そこで本記事では、年金収入が月15万円で夫婦2人暮らし、東京都千代田区在住の人の手取り額を計算し、平均的な生活費と比較して生活できるのか解説していきます。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年金からは多くのものが引かれる可能性がある
年金から引かれるものは、所得税、住民税、健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料などが挙げられます。後期高齢者医療保険料は、75歳以上の人や一定の障害がある人が後期高齢者医療保険に加入している場合に支払う保険料です。
そのため、年金受給が始まる65歳の場合は、所得税、住民税、健康保険料、介護保険料の4つが対象となります。
1. 所得税
「所得税」は、年金支給額から公的年金等控除を引いた雑所得の金額を計算し、さらに各種控除額を差し引いた金額に5. 105%をかけた金額です。
月15万円の年金を受給する場合は、180万円の年金収入になります。公的年金等控除を引いた雑所得の金額は70万円です。さらに基礎控除が48万円、配偶者控除が利用できる場合は38万円を差し引けます。そのため、これらの控除を差し引いた場合は所得税がかかりません。
2. 住民税
「住民税」も雑所得を計算し、各種控除を差し引いた金額で求めます。
年金収入が180万円の場合は、雑所得が70万円で基礎控除が43万円、配偶者控除が33万円なので、配偶者控除を利用できる場合は雑所得よりも控除額のほうが上回ります。そのため、住民税も所得税と同様にかからないことになります。
3. 健康保険料
「健康保険料」は、国民健康保険に加入する場合は国民年金保険料を支払う必要があります。国民年金保険料は市区町村によって異なり、医療分、後期高齢者支援金分、介護分の合計が保険料です。それぞれ所得割と均等割があります。介護分に関しては65歳未満が対象なので、事例のように65歳の場合は対象ではありません。
事例の場合は、医療分と後期高齢者支援分の所得割は、所得金額が控除額を上回らないので0円です。均等割については4万5400円かかります。
また、後期高齢者支援分については、所得割は同じく0円で、均等割は1万5000円です。配偶者の分を支払う場合はそれぞれ2人分を支払うので、9万800円と3万円が引かれます。
4. 介護保険料
「介護保険料」も市区町村によって金額が異なり、被保険者の合計所得金額や同一世帯の住民税課税状況によって変わります。事例の場合で千代田区を参考にすると、第3段階に該当するので4万6000円です。
まとめ
上記の年金から引かれる金額を計算すると、手取りは163万3200円です。1ヶ月の手取りは13万6100円になります。65歳以上の夫婦2人世帯の平均消費支出は25万6521円なので、12万421円が不足します。配偶者の収入が約12万円以下の場合は生活できない水準です。
この場合は、65歳以降も働くことや貯蓄の取り崩しも考えてみてください。年金生活になるとこれまでと大きく環境が変化するので、働き方や老後の生活について、年金受給前に家族で話し合うことをおすすめします。
出典
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.1191 配偶者控除
東京都主税局 個人住民税
東京都主税局 令和6年度 特別区国民健康保険料一覧表
千代田区 介護保険料について(65歳以上)
総務省統計局 家計調査報告 2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
















