「将来、月16万円の年金がもらえる!」と喜ぶ父。ねんきん定期便に書いてあったようなのですが、その金額は必ずもらえるのでしょうか?
その中には、年金に関するさまざまな情報が記載されており、将来受給できる見込額も記載されています。今回のケースでは、16万円を受け取れる旨がねんきん定期便に書かれているようです。
本記事では、ねんきん定期便の概要、およびそこに記載されている金額が実際に受け取れる金額なのかについて詳細を解説します。
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ねんきん定期便には見込みの受給額が記載されている
ねんきん定期便は、加入者の年齢によって送付形式や通知内容が異なります。送付形式については、節目の年齢(35歳/45歳/59歳)になる年以外ははがきで送付されます(節目の年齢は封書)。
いずれの送付形式であれ、ねんきん定期便には、将来受け取れる見込額が記載されています。送付形式別に、見込額が記載された該当項目を表1にまとめました。
表1
| 年齢 | ねんきん定期便の受給見込額が記載された箇所 |
|---|---|
| 50歳未満 | これまでの加入実績に応じた年金額 |
| 50歳以上 | 老齢年金の種類と見込額 |
出典:日本年金機構「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」を基に筆者作成
ねんきん定期便に記載されている額は受給できる額?
「これまでの加入実績に応じた年金額」と「老齢年金の種類と見込額」という項目に記載されている額は、いずれも将来受け取れる年金額をシミュレーションした額です。
しかし結論からいうと、この額は実際に受け取れる金額を正確に示しているわけではないようです。今回のケースでは「16万円」という額が記載されていたようですが、この年金額が変わる可能性はあります。
それぞれの項目の詳細を見ていきましょう。
「これまでの加入実績に応じた年金額」の場合
「これまでの加入実績に応じた年金額」という項目には、具体的な金額が記載されています。この額は、公的年金加入時から納付してきた保険料の実績に応じて決められた、将来受給できる年金額です。
しかしこれはあくまで、これまでの実績に基づいた金額ですので、今後納付期間が長くなるほど、受給額は増えるでしょう。
「老齢年金の種類と見込額」の場合
「老齢年金の種類と見込額」という項目にも、具体的な金額が記載されています。この額は、現在の加入状況が60歳まで続いた場合に、65歳から受け取れる年金額を示しています。
ただし加給年金(厚生年金を受け取れる人に生計を維持されている配偶者や子どもがいる場合、加算される額)や、振替加算(加給年金が打ち切られる代わりに、配偶者の老齢基礎年金に上乗せされる額)については記載されていません。
そのため個々の状況によって、記載されている金額は変動する可能性があります。
令和7年度の年金額例
日本年金機構によると、令和7年4月分からの年金額例は表2の通りです。
表2
| 金額例 | |
|---|---|
| 国民年金(老齢基礎年金満額) | 6万9308円 |
| 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 23万2784円 |
出典:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」を基に筆者作成
年金額例やねんきん定期便に記載されている見込額を確認して、将来の年金収入をイメージしてみましょう。
ねんきん定期便の記載額は見込額にすぎない
ねんきん定期便には、将来受け取れる見込額が記載されています。しかしこれはあくまで見込額にすぎず、実際に受け取る額ではありません。
ただし、これまでの加入状況に基づいてシミュレーションされた額であるため、一つの参考情報になります。ねんきん定期便の項目をよく確認し、老後の資金計画を立てる際に役立てましょう。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構令和7年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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