専業主婦の母が「年金が少ない」と嘆いています。実は「学生時代の未納」が原因になることもあるって本当ですか?

配信日: 2025.06.21 更新日: 2025.10.21
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専業主婦の母が「年金が少ない」と嘆いています。実は「学生時代の未納」が原因になることもあるって本当ですか?
「年金がこんなに少ないとは思わなかった」と、専業主婦のお母さんがふと漏らした一言に、心配になったことはありませんか?
 
年金が少ない原因は人それぞれですが、実は「学生時代の国民年金未納期間」が影響していることもあります。
 
本記事では、学生時代の未納がどうして年金に関係するのか、今からでもできる対策はあるのかをわかりやすく解説します。
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「年金が少ない……」と感じる専業主婦は少なくない

「これだけじゃ生活が厳しい……」と、年金の受給額について不安を抱える専業主婦は少なくありません。厚生年金に加入していた夫の扶養に入りながら、家庭を支えてきた女性たちは、年金制度上「第3号被保険者」として扱われます。この制度により保険料の納付義務はなく、年金の受給資格期間にもカウントされます。
 
しかし、それでも年金が少ないと感じる人が多いのはなぜでしょうか。その一因として見落とされがちなのが、「学生時代の国民年金未納期間」です。
 

原因は「学生時代の未納」かも? 制度の仕組みを解説

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方に加入する義務があります。これは学生であっても同様です。ただ、収入がない学生にとって保険料を支払うのは負担が大きいため、「学生納付特例制度」が設けられています。
 
この制度を利用すれば、在学中の保険料納付が猶予され、支払わなくても保険料未納にはなりません。ただし、猶予されているだけなので、その期間分は年金額に反映されません。将来的にこの分を「追納」しない限り、結果的に年金の支給額が減ることになります。
 
一方で、この制度を利用せずに単に保険料を払っていなかった場合、その期間は「未納」として扱われ、老齢基礎年金の受給資格期間にも含まれません。結果的に年金額だけでなく、老齢基礎年金の受給資格そのものが危うくなる可能性もあります。なお、老齢基礎年金の受給資格は、保険料の納付済期間が10年以上あることです。
 

学生時代に保険料を納めていないと、年金はいくら減る? 具体的な減額例

では、学生時代に国民年金保険料を納めなかった場合、どのくらい年金額が減るのでしょうか。令和7年4月分からの老齢基礎年金の満額は、年間83万1696円です。これは、保険料を40年間(480ヶ月)納めた場合にもらえる額です。
 
例えば、学生時代に2年間(24ヶ月)未納だった場合、年間で約4万1600円が減額され、30年間受給すれば合計で約125万円もの差になります。専業主婦のように厚生年金がない人にとっては、この差は決して小さくありません。
 

追納や任意加入で年金額を増やすことはできる?

もし過去に「学生納付特例制度」を利用していた場合、その猶予期間分は10年以内であれば追納できます。追納することで、その分の期間が年金額に反映されるため、将来の受給額を増やすことが可能です。なお、期限内でも、時間が経つほど加算金がかかることもあるため、早めの確認・判断が重要です。
 
また、年金の加入期間が40年に達していない場合は、60歳以降も「任意加入制度」を使って国民年金に加入することで、不足分を補えます。この制度を利用すれば、老齢基礎年金の満額に近づけることも可能です。
 

まとめ:早めに記録を見直して、将来に備えよう

学生時代に保険料を納めていない期間がある場合は、年金の計算に確実に影響します。「昔のことだし……」と放置してしまうと、年金が減るばかりか、受給資格に影響を及ぼすこともあります。
 
現在の年金記録は「ねんきんネット」で簡単に確認でき、過去の未納や猶予期間も見られます。専業主婦だったお母さんの年金額に疑問を持ったら、まずは記録を一緒に確認してみましょう。
 
そして、追納や任意加入制度の利用など、自分の将来にも関わる対策を早めにすることが大切です。知らないうちに損をしないためにも、今から備えておくことが安心につながります。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
日本年金機構 任意加入制度
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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