60歳を迎えて「老齢基礎年金」の受給資格を満たしていないことが発覚…! 「不足している期間を補う」方法はありますか?
そのままでは、65歳になっても老齢基礎年金をもらえなくなってしまうため、必要とされている加入期間を満たしていない場合は、その分を補う必要があります。
本記事では、老齢基礎年金の受給資格を紹介するとともに、受給資格を満たしていないときの対処法として、利用できる可能性がある任意加入制度についてまとめています。
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老齢基礎年金の受給資格
老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上あることで受け取ることができます。受給資格期間とは、年金を受け取るために必要な加入期間のことです。
平成29(2017)年7月31日までは受給資格期間が「25年」とされていましたが、平成29年8月1日以降は「10年」に短縮されました。
つまり、現在は受給資格期間が10年を満たしていない場合、老齢基礎年金を受け取れない可能性があるということになります。
今回の事例では「受給資格を満たしていないことが発覚した」ということなので、国民年金の加入期間が10年未満であったと考えられるでしょう。
老齢基礎年金の受給資格を満たしていないときの対処法
老齢基礎年金の受給資格期間が10年未満であると発覚した場合は、不足している期間を補うために、国民年金の任意加入制度の利用を検討してみるとよいでしょう。
任意加入制度を利用すれば、60歳以降であっても国民年金に任意加入することが可能です。任意加入できる条件には、以下のようなものがあります。
・60歳以上65歳未満
・老齢基礎年金の繰り上げ支給をしていない
・20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満
・厚生年金保険、共済組合等に加入していない
・65歳以上70歳未満で年金の受給資格期間を満たしていない
・外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満
また、40年の納付済期間がなく、老齢基礎年金を満額受給できない場合にも、この制度を利用することで、年金を増額できる可能性があります。
年金の不足を補う方法
国民年金の任意加入制度の利用で老齢基礎年金の受給資格を満たすことは可能ですが、満額は受給できないため、老後の収入が不足することも考えられます。
その対策として、60歳以降も働くことが考えられます。給料を受け取ることで毎月の収入になるだけでなく、厚生年金の加入事業所で働けば、年金を増やすことも可能です。
また、NISA(少額投資非課税制度)などの制度を活用して、老後資金に備えることも1つの方法です。NISAとは、株式や投資信託などの金融商品に投資した際の運用益(売却益・配当金や分配金)が非課税となる制度です。「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2つの枠に分けられています。
・つみたて投資枠
対象の投資信託の積立購入が可能な枠。投資上限枠は年間120万円まで。
・成長投資枠
上場株式や投資信託の購入が可能な枠。投資上限枠は年間240万円まで。
例えば、貯金の一部をNISAの成長投資枠で運用したり、60歳以降も働いている場合は給与の一部をつみたて投資枠で運用したりなど、さまざまな投資方法が考えられます。自分に合った方法で資産運用を検討してみましょう。
任意加入制度を利用することで老齢基礎年金の受給資格を満たせる可能性がある
老齢基礎年金は、国民年金保険料を納めた期間や免除された期間が10年以上ある場合に受給できます。
今回の事例のように「受給資格を満たしていない」という人は、60歳以降でも国民年金に加入できる「任意加入制度」を利用することで、不足している期間を補える可能性があります。
保険料の納付済期間が40年未満だと、老齢基礎年金を満額受け取れませんが、任意加入制度を利用すれば、年金を増額できる可能性もあるため、検討してみるとよいでしょう。
また、老後も働いたり、NISA(少額投資非課税制度)などの制度を活用して資産を運用したりすることで、年金の不足を補うことも可能です。
出典
厚生労働省 年金・日本年金機構関係 年金を受けとるために必要な期間が10年になりました
日本年金機構 国民年金の加入 任意加入制度
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
