50歳の夫をがんで亡くしました…。月収は「30万円程度」だったのですが、「遺族年金」はいくらくらい貰えそうですか?
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。本記事では、「50歳で亡くなった夫の月収が30万円の場合」の遺族厚生年金額や遺族厚生年金の受給対象者などを解説します。
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「月額3万7000円程度」の遺族厚生年金をもらえる可能性
亡くなった方の老齢厚生年金における報酬比例部分の4分の3が、遺族厚生年金額です。
報酬比例部分とは、年金額を計算するうえで基礎となる部分で、加入期間の長さや過去の報酬額に応じて決定されるものです。日本年金機構によると、報酬比例部分の計算式は以下の通りです。
「報酬比例部分=A+B」
「A=平均標準報酬月額×0.007125×2003年3月以前の加入期間の月数」
「B=平均標準報酬額×0.005481×2003年4月以降の加入期間の月数」
平均標準報酬月額とは、2003年3月以前における各月の標準報酬月額の合計を、2003年3月以前の加入期間で割った額を指します。また、平均標準報酬額とは2003年4月以降における各月の標準報酬月額・標準賞与額の合計を、2003年4月以降の加入期間で割った額になります。
22歳(1997年)から50歳(2025年)まで厚生年金に加入し、平均標準報酬月額を30万と仮定した場合の計算を表1にまとめました。年金額は44万996円、月額で約3万6750円となります。
表1
| A(2003年3月以前の加入期間) | 15万3900円 |
| B(2003年4月以降の加入期間) | 43万4095円 |
| 報酬比例部分 | 58万7995円 |
| 年金額 | 44万996円(月額約3万6750円) |
※筆者作成
遺族厚生年金を受給できる対象者とは?
遺族厚生年金は、亡くなった方によって生計が立てられていた遺族のうち、以下の順番で優先的に受給権が与えられます。
・子どものいる配偶者
・子ども
・子どものいない配偶者
・父母
・孫
・祖父母
※子ども・孫は18歳に到達する年度の末日までにある方か、20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の状態にある方が対象です。
子どものいる妻か夫(55歳以上)が遺族厚生年金を受け取っている場合、遺族厚生年金は一人しか受け取れないので、子どもには支給されません。また、子どもがいる場合、遺族基礎年金と併給できる可能性があります。
子どものいない場合、30歳未満の妻であれば5年までもらえます。そのほか、子どものいない夫や父母・祖父母は55歳以上の場合のみもらえますが、受給開始は60歳からです。
遺族厚生年金を受け取っている遺族が65歳になるとどうなる?
遺族厚生年金を受け取っている遺族が65歳になり、老齢厚生年金も受け取れるようになった場合は併給が可能です。
老齢厚生年金は全額が支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金額より高い場合のみその差額がもらえます。遺族厚生年金額が老齢厚生年金額を上回る場合、遺族厚生年金はもらえないでしょう。
まとめ
50歳で亡くなった夫の月収が30万円の場合、年金額は約45万円、月額で約3万7000円となります。
遺族厚生年金の支給は、子どものいる配偶者が最も優先されます。そのほか、ケースによっては遺族基礎年金や老齢厚生年金との併給が可能であるため、もらえる対象かどうか、要件を確認してみるといいでしょう。
出典
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
