遺族年金の改正、「5年限定」だけじゃない!?気づかず損するかもしれない「変更点」と「対策」は?

配信日: 2025.06.22 更新日: 2025.10.21
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遺族年金の改正、「5年限定」だけじゃない!?気づかず損するかもしれない「変更点」と「対策」は?
「遺族年金が5年で打ち切りになる」と聞いて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実はこの改正、対象となる人は限定されており、支給額が増えるなどの新たな仕組みも導入されています。一方で、大学生の子どもがいる家庭など、「子どもがいても対象になる」見落としやすいケースもあります。
 
本記事では、遺族年金制度の変更点をわかりやすく整理し、損をしないためにできる備えを解説します。
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「5年限定」は一部だけ? 子育て家庭はどうなる?

2028年4月から新制度が施行予定の遺族厚生年金では、配偶者への支給が原則5年に限定されます。ただし、対象となるのは「子どもがいない配偶者」で、2028年度末時点で40歳未満の女性や、60歳未満の男性に限られます。
 
ここで注意したいのは、「子ども」の定義です。制度上の「子ども」とは、18歳の年度末まで、または20歳未満で障害がある場合に限られます。たとえば、19歳の大学生がいる家庭では、制度上は「子どもがいない」とされ、配偶者が「5年限定支給」の対象になります。
 
「子どもがいるから対象外」と思い込まず、年齢をもとに正しく判断することが重要です。
 

支給額アップも! 有期支給に伴う“加算”の仕組みとは

支給期間が短くなる一方で、支援の中身は一部強化されます。
 
たとえば、支給期間中の金額が引き上げられる「有期給付加算」が導入されます。これは、受給期間の5年間は従来よりも約1.3倍の年金が支払われる仕組みです。短期的な生活再建を支援する目的があります。
 
また、収入が十分でない方(単身の場合、年収122万円以下)や障害年金受給権者には、支給期間終了後も継続給付されます。すべての人が完全に打ち切られるわけではないという点を、しっかり押さえておきましょう。
 

実は他にもある! 見落としやすい変更点とその意図

今回の改正では、「5年限定」以外にも、いくつか重要なポイントがあります。
 
たとえば、これまで高収入の配偶者は受給対象外になることがありましたが、今後は収入要件が撤廃されます。また、遺族基礎年金の子どもの加算額が年間約23.5万円から約28万円に増額され、子育て世帯への支援が強化されます。
 
こうした変更の目的は、制度全体の公平性の確保と、子育て支援の拡充です。高齢単身世帯への給付を減らす一方で、18歳年度末までの子どもがいる子育て層への手当を厚くする構図になっています。
 

不安を減らすために。今からできる備えとは?

「いざというとき、5年で終わってしまったら生活が不安……」という方も多いと思います。そうした不安に備えるには、以下のような準備が役立ちます。
 

・自分が改正の対象となるかを確認する
・5年間の収入計画を立て、民間の生命保険などで資金準備する
・iDeCoや新NISAなど、将来に向けた資産形成を進める

 
国の保障が変わる分、自分自身で備えることがますます重要になってきます。
 

まとめ

遺族年金の改正は、「5年で終わる」という点ばかりが注目されがちですが、実際には対象となるのは「18歳年度末までの子どもがいない配偶者」に限定されます。特に注意したいのは、子どもがいても年齢によっては制度上「子どもがいない」と判断され、支給が5年に制限されるケースです。大学生の子どもがいる家庭も例外ではありません。
 
一方で、一時的な加算や、条件によっては継続支給も用意されています。また、収入要件の撤廃や子育て支援の強化など、見落とされがちな変更点もあります。
 
制度の全体像を理解し、自分や家族が対象となるかを確認した上で、早めに備えを始めることが大切です。安心して将来を迎えるために、今からできることを始めていきましょう。
 

出典

厚生労働省 遺族厚生年金の見直しについて
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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