45歳で独身だった息子が事故で他界…。残された親は「遺族年金」を受け取れる?受け取れない?
この記事では、独身の子どもが事故で亡くなった場合に、残された親は「遺族年金」を受け取れるのかどうか解説します。
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目次
「遺族厚生年金」を受け取れる可能性がある
日本年金機構 「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」によると、厚生年金保険を納めている独身の子どもが事故で亡くなったとき、生活を支えていた「父母」が最も受給の優先順位が高くなります。
よって、独身の子どもが亡くなった場合は、遺族厚生年金を得られる可能性があるといえるでしょう。亡くなった本人が結婚して子どもがいる場合、その「配偶者」や「子ども」の受給が優先され、「父母」の優先度は低くなります。
本人が死亡した時点で、「父母」の受給条件は「55歳以上」であることです。申請してすぐにもらえるのではなく、「60歳」からとなるため注意しましょう。
「遺族基礎年金」は「子どものいる配偶者」か「子ども」しか受け取れない
遺族年金には、国民年金を納めている方がもらえる「遺族基礎年金」もあります。
日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」によると、亡くなった方の生活を支えてきた遺族が受給できますが、「子どものいる配偶者」、もしくは「子ども」しか受け取れません。
なお、厚生年金保険を受給できる方は、遺族基礎年金も受給できる可能性があります。両者は要件を満たすと、同時に受け取れるのが特徴です。
「生計を維持されている」とは下記の要件をすべて満たしていること
生計維持に関する要件は以下の2つです。
・同居して生計が同じであること。別居状態であっても、健康保険の扶養家族や仕送りをしている場合は認められます。
・前年の収入に関して条件を満たすこと。収入は850万円未満で、所得は655万5000円未満が条件です。
生計維持の関係については、亡くなった方と遺族との間で認められなければなりません。
例えば、すでに成人していて独身の子どもが亡くなり別居している親が遺族年金を受け取る場合、収入の条件を満たしたうえで、離れて暮らしていた期間に経済的な支援などを受けていたことが認められる必要があります。
「遺族厚生年金」の受給権者が「老齢厚生年金」の受給権を持つ場合
65歳以上で両方の年金を受け取る権利を持つ場合、平成16年に年金制度が改正されるまでは、受給する方を選択する形式でした。
平成19年4月1日からは老齢厚生年金を全額支給したうえで、これに相当する金額を遺族厚生年金から差し引き、その分の支給を停止するように変更されています。制度変更の理由は、納付者が納めた保険料をしっかり年金額に反映させるためです。
なお、遺族厚生年金の支給額を決める場合は、老齢厚生年金は裁定の請求が必要になります。また、亡くなった方が国民年金の第1号被保険者で、36ヶ月以上保険料を納めていた場合、「死亡一時金」をもらえる可能性があります。
まとめ
遺族がもらえる年金というと、両親や配偶者が亡くなったケースを想像する方もいるかもしれませんが、成人した子どもが亡くなった場合も該当します。
独身の子どもを亡くした親は、要件を満たすことで「遺族厚生年金」をもらえます。この場合、「遺族基礎年金」の対象にはならないため注意が必要です。
出典
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
