来月の「国民年金保険料」が払えない…支払期日の「延期」や支払いの「軽減」などを相談できるのでしょうか?
経済的な理由などにより支払いが困難になってしまった場合はどうなるのか、確認しておきましょう。
本記事では、国民年金保険料を滞納した場合の影響や、支払いが困難になった場合に利用できる制度について紹介します。
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国民年金保険料を滞納するとどうなる?
厚生労働省によると、令和5年度の国民年金納付率は83.1%となっており、16.9%の人が未納であることが分かります。今回の事例のように「来月の保険料が払えない」という人も一定数はいるでしょう。
国民年金保険料を滞納すると、老齢年金を受給するための資格を失ってしまうことになる可能性があります。老齢年金を受け取るためには「受給資格期間が10年以上あること」が条件となるため、保険料を支払わなかった月があるとその条件を満たさなくなってしまうおそれがあるのです。
また、国民年金の加入者は、要件を満たすと障害年金や遺族年金の受給資格も有することになります。いずれも保険料免除期間を含む保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分の2以上あることが要件となるため、保険料未納の月があるといざというときにこれらの年金を受け取れなくなる可能性もあります。
保険料を滞納し続けると延滞金が発生したり財産を差し押さえられてしまったりすることもあるため、早めに対策を検討した方がよいでしょう。
国民年金保険料の支払いが困難なときに利用できる制度
国民年金保険料を支払えなくなってしまったときは、以下の制度を利用できる可能性があります。
保険料免除制度
保険料免除制度を利用すると、所得に応じて「全額免除」か「一部免除」が適用され、令和7年度の場合はそれぞれ免除額と保険料が表1のようになります。
表1
| 全額免除 | 4分の3免除 | 半額免除 | 4分の1免除 | |
|---|---|---|---|---|
| 免除額 | 1万7510円 | 1万3130円 | 8750円 | 4380円 |
| 保険料 | 0円 | 4380円 | 8760円 | 1万3130円 |
※日本年金機構「知っていますか?国民年金保険料の免除制度」を基に筆者作成
免除を受けた期間は「受給資格期間」に含まれるため、制度を利用すれば年金の受給資格を失う心配はないでしょう。
納付猶予制度
納付猶予制度は、20歳以上50歳未満の国民年金加入者が、本人や配偶者の前年所得が一定額以下の場合に申請できる制度です。申請が承認されると、その期間の保険料の納付が猶予され、経済的に余裕ができるまで支払いを先送りすることができます
納付猶予が認められた期間は、年金の「受給資格期間」として算入されますが、免除制度と異なり、そのままでは将来の年金額には反映されません。猶予期間中の保険料を納めないままだと、将来受け取れる年金額が減ることになるでしょう。
そこで、保険料を後から納付する「追納」をすることで、年金受給額を増やすことが可能です。追納は猶予の承認を受けてから10年以内であれば利用できる制度なので、チェックしてみるとよいでしょう。
失業などによる特例免除
上記のほかにも、失業や会社の倒産などにより職を失ってしまった人が利用できる「失業などによる特例免除」もあります。
前年の所得に関係なく利用できる可能性があるため、失業などの事実を確認できる書類を用意したうえで申請してみるとよいでしょう。
国民年金保険料を払えないときは免除制度や納付猶予制度などを利用できる場合もある
経済的な事情などにより国民年金保険の支払いが困難になった場合は、特例免除などを利用できる可能性があります。
保険料を滞納している時期があると、将来受け取れるはずの年金が受給できなかったり、年金額が減ってしまったりすることもあるため、このような制度の利用を早めに検討してみることをおすすめします。
出典
日本年金機構 知っていますか?国民年金保険料の免除制度
日本年金機構 国民年金保険料の免除・猶予・追納国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
