「年収1000万円」で一家の大黒柱だった夫が58歳で急逝→子どもがいない私には「遺族年金」は支払われないと聞いたのですが、本当なの?

配信日: 2025.06.26 更新日: 2025.10.21
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「年収1000万円」で一家の大黒柱だった夫が58歳で急逝→子どもがいない私には「遺族年金」は支払われないと聞いたのですが、本当なの?
夫が亡くなった場合に、遺された妻は遺族年金を受け取れる場合があります。一家の大黒柱で高収入だと、より不安になるかもしれません。
 
また、実際には支給の条件を満たす必要があるため、配偶者を亡くしたすべての方が受け取れるわけではありません。そこで今回は「遺族年金」の受給要件や対象者について詳しく解説していきます。
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遺族年金には2種類ある

遺族年金には2種類あり、それぞれ支給要件や対象者が異なります。次で詳しく見ていきます。
 

遺族基礎年金

国民年金の被保険者が亡くなった場合に遺族に支給される制度です。
 
対象者は、亡くなった方と同一生計だった18歳到達年度の末日までの子ども(障害年金の障害等級1級または2級の状態にある場合は20歳)のいる配偶者、または子ども本人となります。そのため、今回のケースのように子どもがいない配偶者は遺族基礎年金の対象外となります。
 

遺族厚生年金

厚生年金の加入者が亡くなった場合に支給される遺族厚生年金では、配偶者は子どもの有無にかかわらず支給対象者となります。そのほかにも、子ども・父母・孫なども対象です。
 
そのため、今回のケースのように子どものいない配偶者は、遺族厚生年金の支給対象となります。ただし、妻の年齢が30歳未満の場合の支給は5年間のみです。
 
現在の遺族厚生年金は、おもに夫を亡くした妻を対象としています。例えば、夫を亡くした妻と、妻を亡くした夫では、受給要件が異なるなどの男女差がありました。
 
しかし、昨今では働く女性が増えていることもあり、こうした男女差をなくすため、子どものいない方の要件を同じにすることや、子どもがいる場合の加算の増額などが2028年の4月から検討されています。
 
遺族厚生年金の支給額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4となります。
 

年金の併給について

遺族厚生年金を受給している、子どものいない妻の厚生年金が65歳から始まる場合、遺族厚生年金の支給が調整または停止される可能性があります。
 
年金制度は基本的に、老齢・障害・遺族などの2つ以上の年金を受け取る場合には、どれか1つを選ばなければなりません。次のようなケースでは、1つの年金とみなされて同時に受け取り可能です。


・老齢基礎年金と老齢厚生年金
・遺族基礎年金と遺族厚生年金
・障害基礎年金と障害厚生年金

一方で、65歳以降においては例外的に2つ以上の年金が受け取れる場合があります。今回のケースで妻が65歳になった場合、自分の老齢基礎年金・老齢厚生年金とあわせて、遺族厚生年金の受け取りが可能です。
 
ただし、老齢厚生年金より遺族厚生年金の方が高い場合は差額が支払われます。例えば、老齢厚生年金60万円、遺族厚生年金90万円の場合、遺族厚生年金は30万円となります。
 

遺族厚生年金以外にも受け取れるお金とは?

夫を亡くした妻は、遺族年金のほかに中高齢寡婦加算が受け取れる場合があります。中高齢寡婦加算とは、遺族厚生年金を受け取っている妻が次の要件を満たした場合に加算される制度です。


・生計を共にする子どもがいない場合(妻の年齢が40歳以上65歳未満に限る)

・遺族厚生年金や遺族基礎年金を受けている妻(子どもあり)が、子どもが満18歳となる年の3月末日を過ぎた(障害のある場合は20歳未満)などの理由で、遺族基礎年金をもらえなくなった場合

加算額は40歳から65歳になるまでの間に年間で62万3800円です。また、65歳になると経過的寡婦加算(妻が昭和31年4月1日以前生まれに限る)が支給される場合もあります。
 

遺族基礎年金は受け取れないが遺族厚生年金は受け取れる

夫を亡くした妻は、遺族基礎年金と遺族厚生年金が受け取れる場合があります。遺族基礎年金は原則18歳までの子どもがいる場合に支給される年金です。一方で、遺族厚生年金は、今回のケースのように子どもがいなくても一定の要件を満たした場合に受給できます。
 
場合によっては遺族厚生年金を受け取っている妻が65歳になると、遺族厚生年金の受給額が調整されるケースもあります。不明点がある場合は、お近くの年金事務所や自治体に直接問い合わせるようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 年金の併給または選択
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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