自営業なので「月400円」の年金上乗せを検討しています。「2年で元が取れる」って本当ですか?意外と知らない「付加年金」のメリット・デメリットを解説!

配信日: 2025.06.28 更新日: 2025.10.21
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自営業なので「月400円」の年金上乗せを検討しています。「2年で元が取れる」って本当ですか?意外と知らない「付加年金」のメリット・デメリットを解説!
将来の生活を考え、自営業やフリーランスの方が自身の年金について考えるのは自然なことです。「月々わずか400円で将来の年金を増やせる」と聞き、国民年金の「付加年金」に加入した、あるいは検討している方もいるでしょう。
 
しかし、「2年間で元が取れるというのは本当なのか」といった疑問や、制度の詳しい内容までは知らない、という方も少なくありません。この記事では、付加年金のメリットとデメリットを詳しく解説します。
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「付加年金」なら2年で元が取れる

「付加年金は本当に2年で元が取れるの?」と気になっている方もいるかもしれません。実際の計算に当てはめてみると、その仕組みがよくわかります。日本年金機構の公式なルールをもとに、どれくらい得になるのか確認してみましょう。
 
例えば、40歳から60歳までの20年間(240か月)、付加保険料を納め続けたとします。この期間に納付する保険料の総額は、月額400円に240か月を掛けて9万6000円です。
 
そして将来、老齢基礎年金に上乗せされる付加年金額は、日本年金機構のルールである「200円×納付月数」で計算され、年間で4万8000円になります。
 
この計算からわかるように、65歳から年金を受け取り始めると、わずか2年間で合計9万6000円(4万8000円 × 2年)を受け取ることになり、支払った保険料の総額に達します。3年目以降は、支払った額を上回る金額が生涯にわたって支給されるため、有利な仕組みといえるでしょう。
 

知っておきたい「付加年金」の4つのメリット

付加年金の魅力は、単に“元が取れる”だけではありません。制度としての安心感や、手軽に始められる点など、多くのメリットが備わっています。
 

1.少額から始められる手軽さ

月々の負担は400円と少額です。家計への影響を抑えながら、将来への備えを始められるのが大きな魅力です。
 

2.生涯にわたって受け取れる

一度受け取り始めると、その上乗せ分は生涯にわたって支給されます。長生きするほど、その恩恵は大きくなるでしょう。
 

3. 国の制度であること

付加年金は、民間の金融商品とは異なり、国が運営しています。そのため、倒産といった理由で支払いが停止するリスクがない点は、公的制度ならではの特徴といえるでしょう。
 

4.手続きが簡単

加入手続きは、お住まいの市区町村役場の国民年金担当窓口で簡単に行うことができます。
 

加入前に確認すべきデメリットや注意点

メリットが多い一方で、付加年金にはいくつかの制限や注意点もあります。加入を検討する際は、こうした点も踏まえたうえで判断することが大切です。
 

1.大きな金額の上乗せはできない

受け取れる年金額は納付月数に比例するため、付加年金だけで老後資金を盤石にすることは難しいでしょう。あくまで老齢基礎年金を補う「付加的」な位置づけと考える必要があります。
 

2.国民年金基金との併用ができない

自営業者向けのもう一つの年金上乗せ制度である「国民年金基金」に加入している方は、付加年金に加入できません。
 
国民年金基金はより手厚い保障を目指せる反面、掛金は付加年金より高くなります。どちらか一方しか選べないため、ご自身の計画に合わせて選択する必要があります。
 

3.保険料の免除・猶予期間は加入不可

国民年金保険料の全額または一部の納付を免除されていたり、納付猶予の承認を受けたりしている期間は、付加保険料を納めることはできません。
 

メリット・デメリットを理解して、賢く備えを

「付加年金」は、月々400円の負担で将来の年金を増やせ、2年間で元が取れるという、特に自営業やフリーランスの方にとって非常に魅力的な制度です。その一方で、増やせる金額には上限があり、国民年金基金との併用はできないといった注意点も存在します。
 
大切なのは、こうしたメリットとデメリットの両方を正しく理解することです。ご自身のライフプランや、iDeCo(個人型確定拠出年金)なども含めた他の資産形成の状況と照らし合わせ、自分に合った方法を選択するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 付加年金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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