50代の「専業主婦」です。会社員の夫に長年「扶養」されています。「5万くらい」の年金はもらえると思っていますが、私の「年金」は月いくらくらいになるのでしょうか?
もし老後の生活費を増やしたいなら、年金額を増やしたり働いたりといった検討が必要です。今回は、専業主婦の年金や老後の生活費を増やす方法などについてご紹介します。
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専業主婦の年金は基本的に老齢基礎年金のみ
専業主婦で結婚するまでに厚生年金の被保険者になっていない場合、受け取れる年金は基本的に老齢基礎年金のみです。夫の扶養に入っていれば、厚生年金の被保険者は夫のみとなるため妻は対象になりません。
そのため、もし老後の年金額を専業主婦の人が知りたいときは、老齢基礎年金額を調べるとよいでしょう。夫が厚生年金の被保険者であり、保険料を満額納付している場合、令和7年度における老齢基礎年金額は月6万9308円、年83万1696円です。
ただし、もし結婚する前に会社勤めなどで厚生年金に加入したことがあれば、老齢厚生年金を受け取れる可能性もあります。
なお、専業主婦の場合、夫が会社員か自営業かで夫婦の合計年金額は変動します。もし夫が会社員や公務員などであれば原則厚生年金の被保険者となり、老後には老齢基礎年金・老齢厚生年金の2種類を受け取ることがほとんどです。
しかし、夫が自営業など国民年金第1号被保険者の場合、夫婦で受け取れるのは老齢基礎年金のみとなるでしょう。
日本年金機構によると、厚生年金も含めた夫婦2人の標準的な年金額は、令和7年度で月23万2784円です。しかし、夫が自営業の場合、受給金額は2人分の老齢基礎年金額である合計の14万円程度になるでしょう。夫婦の標準的な年金額と比較すると、9万円程度の差があります。
専業主婦が年金を少しでも増やす方法
専業主婦が年金を増やす方法として、繰下げ受給を利用する方法があります。繰下げ受給とは、65歳よりも受給タイミングを遅くすることで、受給額を増やせる制度です。1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ増加していき、最大75歳まで繰下げできます。
もし75歳まで受給タイミングを延長すると、増加割合は84.0%です。令和7年度の老齢基礎年金で計算すると、「6万9308円×184%」で約12万7527円の金額を受け取れるでしょう。
また、夫が自営業など厚生年金の非加入者である場合は、付加年金の利用も選択肢の1つです。付加年金とは、国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者を対象にした制度で、保険料に月額400円をプラスして払うことで、老後の年金額を「200円×付加年金を支払った月数」分増やせる制度です。
年金には第1号被保険者、第2号被保険者(厚生年金被保険者)、第3号被保険者があり、20歳以上60歳未満で夫が第1号被保険者の場合は、妻も第1号被保険者に分類されます。もし第2号被保険者の夫に扶養されている場合は、妻は第3号被保険者に分類されるため、付加年金は利用できません。
老後の資金が不安なら働くことも検討する
老後の生活費に不安を覚える場合、子育てが落ち着いたタイミングなどで専業主婦をやめて働くことを検討することも1つの方法でしょう。総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦で無職世帯の場合、平均消費支出は月25万6521円、非消費支出は3万356円でした。
生活スタイルにもよりますが、夫婦の年金だけでは足りなくなる可能性があります。パートなどで少しずつでも収入を増やすことで、老後に向けて貯金できるでしょう。
令和7年度なら老齢基礎年金のみの場合、月6万9308円
専業主婦は厚生年金の被保険者ではないため、将来受け取れる年金は原則老齢基礎年金のみです。令和7年度の金額を参照すると月6万9308円となり、老後の生活費としては少なく感じる人もいるでしょう。
もし年金額を増やしたいなら、繰下げ受給や付加年金の利用も方法としては有効です。ただし、付加年金は夫が国民年金の第1号被保険者である場合に利用できます。
老後の資金に不安を覚えるときは、働くことで老後の生活費をためることも検討しましょう。
出典
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
