「ねんきん定期便」を見返したら年金加入記録に「ミス」。届いてから「半年以上」経っているけど、今から問い合わせても「修正」してもらえますか?

配信日: 2025.07.03 更新日: 2025.10.21
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「ねんきん定期便」を見返したら年金加入記録に「ミス」。届いてから「半年以上」経っているけど、今から問い合わせても「修正」してもらえますか?
老後の生活設計を考えるうえで、将来受け取る年金額は大切な情報です。その確認手段の1つが毎年届く「ねんきん定期便」ですが、記載されている加入記録にミスが見つかることがあります。しかし安心してください。記録ミスは過去にさかのぼって修正が可能です。
 
この記事では、ねんきん定期便に誤りが見つかったときの対応方法について解説します。
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「ねんきん定期便」に記録ミスがあるとどうなる?

「ねんきん定期便」は、日本年金機構が毎年誕生月に送付する、現在までの年金加入記録と将来の年金見込額などが記載されている通知です。節目年齢とされる35歳・45歳・59歳には、「年金加入記録回答票」と返信用封筒が同封されます。ねんきん定期便に記載されている情報は、将来の年金受給額に直結するため、しっかりと確認しなければなりません。
 

加入期間に抜けがあるとどうなる?

仮に、年金の加入期間が5年抜けていたとしたら、受け取れる年金額はどのくらい変わってしまうのでしょうか。老齢基礎年金の受給総額で比較してみましょう。
 
20歳から60歳まで(加入可能年数の40年=480ヶ月)保険料を納めていると、老齢基礎年金は満額を受け取れます。2025年度の老齢基礎年金の満額(年額)は83万1700円です。
 
83万1700円(老齢基礎年金)×480ヶ月(保険料納付済月数)/480ヶ月(加入可能月数)=83万1700円
 
しかし、加入期間が5年分(60ヶ月分)抜けていた場合には、老齢基礎年金は以下の金額となります。
 
83万1700円×420ヶ月(保険料納付済月数)/480ヶ月(加入可能月数)=約72万7738円
 
年間では約10万4000円の差です。会社員であれば、報酬比例部分(厚生年金)にも影響し、受給額が減ってしまう恐れがあります。年金は一生涯にわたって受け取る資金なので、小さなミスであっても軽視しないようにしましょう。
 

「ねんきん定期便」の修正はいつまで可能?

年金記録の訂正には、明確な期限は設けられていません。実際、日本年金機構は、公式に「誤りがあると気づいた時点で申し出を」としています。とはいえ、長く放置すると、修正が難しくなる恐れがあるので注意してください。
 

早めの申し出が望ましい理由

記録ミスを放置すると、証拠書類が失われたり、勤務先がなくなっていたりと、後になればなるほど確認が困難になります。また、日本年金機構の記録調査には、相当の時間がかかることも珍しくありません。
 
そのため、「届いてから半年以上経っているから」と諦めず、気づいた時点で対処しましょう。
 

問い合わせ方法と必要書類

「ねんきん定期便」の記録ミスに気が付いたら、まずは、最寄りの年金事務所に連絡します。あるいは、35歳・45歳・59歳時に同封されている「年金加入記録回答票」を返送してください。その後、日本年金機構が年金加入記録の調査や確認を行います。
 
年金加入記録回答票の返送にあたって、その他に必要書類はありません。調査や確認が完了し、年金加入記録が訂正されたら、文書で回答が届きます。
 

年金記録の訂正請求もできる

年金記録にミスがある場合、厚生労働省に対して年金記録の訂正請求をすることも可能です。その際は、以下の書類を年金事務所に提出するか、郵送してください。

・年金記録訂正請求書
 
・同意書
 
・請求の概要

また、請求内容について分かる資料も必要です。年金手帳以外にも、家計簿、預貯金通帳など、年金の加入や保険料の納付状況について確認できる資料を用意してください。会社員であれば、当時の勤務先や担当者の証言なども判断材料となります。過去の源泉徴収票や確定申告書の控えがあると、そこに記載されている情報から調査が進展することもあるでしょう。
 
訂正が認められるかどうかは、さまざまな資料と状況に基づいて総合的に判断されます。必ずしも訂正が認められるとは限らないため、年金に関する資料はなるべく多く集めてください。
 

「ねんきん定期便」に誤りを見つけたら速やかに確認を

ねんきん定期便に記載された年金加入記録に誤りを見つけた場合は、たとえ半年以上経過していても、速やかに日本年金機構へ問い合わせましょう。修正の申し立てには期限がなく、資料をそろえれば、過去の記録も修正が可能です。
 
老後の安心のためにも、ねんきん定期便はしっかり確認し、誤りに気づいたらすぐ行動することが重要です。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
厚生労働省/日本年金機構 年金記録の訂正手続のあらまし(2ページ)
厚生労働省 年金記録の訂正請求手続
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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