「ねんきん定期便」が届きましたが、書いてある「年金額」って「本当にもらえる金額」なんでしょうか? 将来に備えるために、見方をちゃんと知っておきたいです
配信日: 2025.07.05

今回の記事では、ねんきん定期便の見方と、将来受け取れる年金の計算方法について解説します。

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ねんきん定期便の見方
ねんきん定期便の内容は、50歳未満、50歳以上、年金受給者で、それぞれ異なります。今回は、50歳未満のはがきを例に解説します。
まずは表面です(図1)。
図1
日本年金機構のHPを基に筆者作成
1:日本年金機構に問い合わせをする際に必要な番号です。
2:これまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。左側には昨年分の年金額、右側には今年の年金額がグラフで表示されています。
3:国民年金納付状況、加入区分、標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額が記載されています。
4:記載されている二次元コードを読み取ることで、公的年金シミュレーターへアクセスできます。
続いて裏面です(図2)。
図2
日本年金機構のHPを基に筆者作成
5:今まで支払った国民年金と厚生年金の保険料を確認できます。
6:住所確認など、日本年金機構からの個人的な連絡事項が記載されています。
7:自分の年金の加入期間が月単位で記載されています。
8:現在時点でどのくらい年金がもらえるかが記載されています。
受け取ることができる年金額を知りたい場合は、8の部分を確認しましょう。納めている保険料が多いほど、年金額は高くなります。ここに記載されている金額は最低限の年金額として捉えておきましょう。
ねんきん定期便での計算の仕方
ねんきん定期便における年金受給額の計算方法を解説します。加入期間が210ヶ月、60歳までの月数が250ヶ月の場合を例として、国民年金の受給額を計算します。
国民年金受給額の計算方法は、年金額×保険料納付月数÷480です。
令和7年度の国民年金額は月額で6万9308円、年額で83万1700円なので、83万1700円×460ヶ月÷480=79万7046 円です。
厚生年金は、個人の標準報酬月額と標準賞与額それぞれに保険料率をかけて計算します。例えば、標準報酬月額が26万円の場合、毎月の保険料は26万円×18.3%=4万5780円となります。これを会社と折半するため、毎月の給与から天引きされる個人負担額は 2万3790円です。
厚生年金は国民年金に上乗せする形で支給されます。
年金がいくらもらえるか計算する方法
ここからは、上記で解説したねんきん定期便以外で、年金受給額を計算する方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
公的年金シミュレーターを使う
公的年金シミュレーターとは、厚生労働省が運用しているもので、将来の年金受給額を簡単に試算できるツールです。
IDやパスワードは不要で、誰でも簡単に計算できるのが特徴です。ねんきん定期便に記載されている二次元コードを読み取れば、スムーズに確認できます。
具体的な利用方法は、動画で公開されています。なお、金額はおおよそのものなので、正確に計算したい場合は、ねんきん定期便を確認するのがおすすめです。
ねんきんネットを使う
ねんきんネットは、日本年金機構のホームページからアクセスできます。利用するためには、マイナポータルとの連携が必要ですが、正確な年金を確認できます。利用方法は、ホームページに記載されているマニュアル通りに行えば簡単です。
ねんきんネットは、年金の計算だけでなく、年金記録や振込通知書の確認、請求の手続きなども行えます。パソコンやスマホを持っている人は、ぜひ利用してみてください。
見方を知って年金受給額を確認しよう
ねんきん定期便は、見方を知っておけば、将来受け取れる自分の年金を正確に確認できます。将来もらえる年金が少なくなるといわれている現在、自分の年金受給額を知っておくことは非常に重要です。ねんきん定期便以外にも計算できるツールがあるので、ぜひ活用してみてください。将来に備えるためにも、年金受給額をしっかりと確認しておきましょう。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 令和7年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳未満の方)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー