年金額を“自分で増やす”という選択肢がある?付加年金やiDeCoの仕組みを解説

配信日: 2025.07.07 更新日: 2025.10.21
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年金額を“自分で増やす”という選択肢がある?付加年金やiDeCoの仕組みを解説
「老後の年金額は自分で増やせる」という話を聞いたことはありますか? 老後、年金だけで生活していけるのか不安がある方は、年金額を増やす方法を知っておきましょう。
 
この記事では、日本の年金制度の概要と、年金額を増やす方法について紹介しています。「付加年金」や「iDeCo」の仕組みも分かりやすく解説するため、ぜひ参考にしてください。
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日本の年金制度とは?

日本の年金制度は、20歳以上の人が全員加入する「国民年金」と、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」による2階建て構造になっています。
 
国民年金のみに加入している自営業者や学生、無職の方などは「第1号被保険者」に該当し、毎月自分で保険料を支払います。「第2号被保険者」は、厚生年金に加入している会社員や公務員などを指し、保険料の支払いは雇用主と折半です。第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者の方が「第3号被保険者」です。
 
老後は、国民年金だけの加入の場合は「老齢基礎年金」、厚生年金に加入していた期間がある場合は追加で「老齢厚生年金」が受給できます。
 

年金を増やす4つの方法

ここからは、年金を増やす具体的な方法を4つ紹介していきます。
 

1. 付加年金に加入する

付加年金は、第1号被保険者や任意加入被保険者を対象にした年金の上乗せ制度です。国民年金の定額保険料に月額400円を上乗せすると、将来受け取れる老齢基礎年金に付加年金として「200円×付加保険料納付月数」分増える仕組みです。
 
なお付加年金は定額で、物価変動の影響を受けません。
 
仮に50歳から60歳までの10年間付加保険料を納付すると、付加保険料の合計は400円を120ヶ月分で4万8000円、受け取れる付加年金額は200円×120ヶ月で2万4000円です。
 
年に2万4000円ということは、受給開始から2年を経過すると納付した保険料を付加年金受給額が上回るため、今回のケースでは2年以上年金を受け取る場合は付加年金に加入するほうがお得といえます。
 

2. iDeCoに加入する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金の不足分を自らで補う「私的年金制度」のひとつとして注目されています。掛金を自身で拠出し、運用方法を選択して運用していきます。
 
iDeCoを利用するメリットは、節税効果にあります。iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になるため、所得税や住民税が軽減されます。また、運用で得た利益(運用益)には通常20.315%の税金がかかりますが、iDeCoの運用益は非課税で再投資されます。
 
さらに、60歳でお金を受け取るときにも大きな節税効果があります。iDeCoは一時金もしくは年金(金融機関によっては併用も可能)で受け取ることができ、一時金で受け取るときには「退職所得控除」の対象となり、年金として分割して受け取るときには「公的年金等控除」を利用できます。
 

3. 繰下げ受給する

年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、受給を66歳以後75歳までの間に遅らせることを「繰下げ受給」といいます。受給開始時期を1ヶ月遅らせるごとに、0.7%ずつ受け取れる年金額が増加します。
 
定年後も働いて十分な収入を得られる場合などは、65歳から年金を受け取らず、繰下げ受給を検討してもよいかもしれません。厚生年金は70歳まで加入できるため、働き続けることで、老齢厚生年金額も増加します。
 

4. 国民年金に任意加入する

国民年金の加入可能期間は20歳から60歳の40年間ですが、「学生納付特例制度」を利用している方などは、保険料を納めていない期間があります。追納もせず、加入期間が40年に満たない場合には老齢基礎年金が減額されるため、年金額を満額に近づけたいという方は60歳以降も国民年金に任意加入するとよいでしょう。
 

年金額は自分で増やす方法がある

日本の年金制度の概要と、年金額を増やす方法をご紹介しました。付加年金や繰下げ受給制度を利用すると、将来受け取る年金額を増やせます。また、私的年金制度のひとつであるiDeCoは、老後資金の準備をしつつ節税効果にも期待できるでしょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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