65歳になる前から厚生年金がもらえる人がいるって本当? 「特別支給の老齢厚生年金」の「対象者」や「受給額」はどう決まるの?

配信日: 2025.07.09 更新日: 2025.10.21
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65歳になる前から厚生年金がもらえる人がいるって本当? 「特別支給の老齢厚生年金」の「対象者」や「受給額」はどう決まるの?
現在は65歳から厚生年金をもらえますが、その前から受給できる「特別支給の老齢厚生年金」という年金があります。
 
ただし「特別支給の老齢厚生年金」は誰でも受給できるものではなく、時期がくれば自動的に支給されるものでもありません。どのような人が対象になるのか、受給するにはどうすればよいのかなど、確認しておきましょう。
 
本記事では、特別支給の老齢年金で受給できる金額や、受給する方法についてもご紹介します。
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「特別支給の老齢厚生年金」とは?

「特別支給の老齢厚生年金」とは、65歳になる前に支給される老齢厚生年金のことです。
 
昭和60年の法改正以前は、厚生年金の老齢年金を受給できるのは60歳からでしたが、法改正により65歳へと引き上げられました。改正前に厚生年金受給の要件を満たしていた人が不利益を被ることにならないよう、特別支給の老齢厚生年金を60歳から受給できるようになっています。
 
受給対象は、男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれた人、女性の場合は昭和41年4月1日以前に生まれた人です。さらに、以下の要件をすべて満たしていることが条件です。


・老齢基礎年金の受給資格期間である10年を満たしている
・厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある
・受給開始年齢に達している

受給開始年齢は年齢と生年月日によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
 

「特別支給の老齢厚生年金」で受給できる金額は?

特別支給の老齢厚生年金は、報酬比例部分と定額部分を合計した金額が支給されます。報酬比例部分とは年金額の計算の基礎となるもので、計算方法は以下の通りです。


【平成15年3月以前の加入期間】

平均標準報酬額×1000分の7.125×平成15年3月までの加入期間の月数
 
【平成15年4月以降の加入期間】
平均標準報酬額×1000分の5.481×平成15年4月以降の加入期間の月数

上記の2つを合計したものが、報酬比例部分になります。一方、定額部分は以下の方法で計算します。
 
1734円×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数
 
「生年月日に応じた率」については、日本年金機構の「年金額の計算に用いる数値」を参照しましょう。
 

「特別支給の老齢厚生年金」を受給するには?

特別支給の老齢厚生年金を受給するには、申請が必要です。受給開始年齢に達する人に対して、その3ヶ月前に「年金請求書」が送付されるため、受給を希望する場合は受給開始年齢になってから請求書を提出しましょう。
 
請求する際には、戸籍謄本や住民票など本人の生年月日を確認できる書類や、年金の受取先となる本人名義の金融機関の通帳またはキャッシュカードのコピーなどが必要です。また、状況に応じてそのほかの書類も必要になる可能性があるため、確認しておきましょう。
 
必要な書類をそろえたら、最寄りの年金事務所または年金相談センターに年金請求書とともに提出してください。受給権が発生するのは受給開始年齢になってからなので、戸籍や住民票などの書類は受給権が発生した日以降に発行されたものを用意しましょう。
 

要件を満たすことで65歳になる前から老齢厚生年金を受給できる

「特別支給の老齢厚生年金」とは、65歳になる前から老齢厚生年金を受給できる制度のことをいいます。受給するための要件が定められているため、気になる方は対象になるか確認するとよいでしょう。
 
受給できる年金の額は報酬比例部分と定額部分の合計で決まるため、いくらもらえるのか事前に計算しておくことをおすすめします。
 
特別支給の老齢厚生年金は自動的に支給されるものではなく、事前に申請が必要です。希望する場合は必要書類を用意し、受給開始年齢になってから手続きをしましょう。
 

出典

厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方] 第3 公的年金制度の体系(年金給付)
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
日本年金機構 年金用語集 た行 定額部分
日本年金機構 老齢年金を請求する方の手続き 特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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