30歳からではもう遅い!? 学生時代に猶予された「国民年金保険料」の追納に期限はあるの?
本記事では、国民年金保険の学生納付特例制度の概要や、追納に関するポイントについて解説します。
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学生納付特例制度とは
日本では、20歳以上の全ての人が国民年金保険に加入する義務があります。しかし、学生は収入が少ないため、保険料の支払いが難しいケースも少なくありません。そのような背景から設けられている制度が「学生納付特例制度」です。
20歳以上の学生がこの制度の申請を行うと、保険料の納付が猶予されます。「免除」ではなく「猶予」のため、将来的に追納することが可能です。
追納できる期間は、追納が承認された月からさかのぼって10年以内となっています。例えば、2025年7月に追納の申し込みをした場合、追納できる保険料は2015年7月以降の期間となります。2015年6月以前の猶予分は追納できません。
過去にこの制度を利用した方は、どの期間に特例を受けたかを把握し、期限内に追納を検討することが重要です。
2025年現在、追納する場合の保険料額は表1の通りです。
表1
| 年度 | 学生納付特例の保険料額(月額) |
|---|---|
| 2015年度 | 1万5930円 |
| 2016年度 | 1万6600円 |
| 2017年度 | 1万6820円 |
| 2018年度 | 1万6650円 |
| 2019年度 | 1万6710円 |
| 2020年度 | 1万6820円 |
| 2021年度 | 1万6860円 |
| 2022年度 | 1万6740円 |
| 2023年度 | 1万6520円 |
| 2024年度 | 1万6980円 |
出典:日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」を基に筆者作成
なお、納付猶予から3年度目以降のタイミングで保険料を追納する場合は、経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
最も経過期間が長い2015年度の当時の国民年金保険料は月額1万5590円でしたが、2025年度現在の追納保険料は1万5930円で、340円加算されています。加算金の金額は決して大きくありませんが、早めに追納した方が支払う保険料をおさえることができるでしょう。
追納しないと将来の年金受給額が減る
老齢基礎年金の受給額は、「その年の年金の満額×(保険料納付済月数÷480ヶ月)」で算出され、何年分の保険料を納めたかによって変動します。
そのため、特例によって保険料の未納期間があると、その分だけ将来もらえる年金が少なくなるでしょう。
追納期限が過ぎてしまったときの対処法
もし学生納付特例の追納期限を過ぎてしまった場合は、将来の年金が減少することになります。以下のような方法で、将来への備えを見直すことが大切です。
1.年金の減少額を把握する
まずは年金受給額を確認して、どの程度代わりの資産が必要になるかを把握することが大切です。
2.国民年金の任意加入制度を活用する
任意加入制度とは、60歳までの保険料の納付月数が480ヶ月に達していない場合、60歳以降も国民年金に加入して受給額を増やすことができる仕組みです。この制度を活用して、受給額を増やすことができます。
3.定年後も働いて、厚生年金の加入期間を延ばす
厚生年金の受給額を増やすことで、国民年金の減少額を補うという方法もあります。厚生年金であれば70歳まで加入可能です。
4.iDeCoやNISAなどを活用して、投資で資産形成を図る
余裕資産がある場合は、iDeCoやNISAを利用して老後の資産を確保することを検討してもいいでしょう。
学生納付特例制度の追納期限は10年まで
学生納付特例制度で猶予された保険料は、10年以内であれば追納可能です。30歳という年齢は、期限切れ前に対応できる最後のタイミングといえます。過去に特例制度を利用した方は、自宅に届く年金定期便や「ねんきんネット」などで年金状況を確認してみましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
