年金の平均的な受給額ってどれくらい? 先月「ねんきん定期便」が届いたのですが、月額「10万円」の年金って少ないでしょうか…?

配信日: 2025.07.21 更新日: 2025.10.21
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年金の平均的な受給額ってどれくらい? 先月「ねんきん定期便」が届いたのですが、月額「10万円」の年金って少ないでしょうか…?
老後生活を考えるうえで重要なのが年金です。年金の受給額は人によって異なりますが、平均額が気になる人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、年金の平均受給額について解説します。
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年金の平均受給額

年金にはさまざまな種類があるものの、公的年金と私的年金の2種類に大きく分けられます。公的年金は国が運営する年金制度で、国民年金や厚生年金などが代表的です。
 
一方、私的年金とは、証券会社や保険会社、銀行などが運営する年金制度です。iDeCoとも呼ばれる個人型確定拠出年金や企業年金のほか、国民年金基金などが私的年金に該当します。
 
公的年金の特徴の一つは、加入条件を満たす人に対して加入が義務付けられていることです。一方、私的年金への加入は任意であるため、加入しない人も少なくありません。
 
ここからは公的年金のうち、国民年金と厚生年金における年金の平均受給額について解説します。
 

国民年金

国民年金は老齢基礎年金とも呼ばれています。
 
加入対象者は20歳以上60歳未満の日本在住者で、保険料を納付した期間と保険料の納付を免除された期間の合計が10年以上であれば年金を受け取れます。年金の受給開始時期は原則65歳からです。
 
国民年金の受給額は、保険料を納付していた期間と、その年の支給額の満額によって決まります。国民年金を満額受け取るために必要な保険料の納付期間は480ヶ月、つまり40年です。
 
また、国民年金の支給額の満額は年度ごとに異なり、経済状況などを鑑みて判断されます。令和7年度の国民年金の支給額は、月額6万9308円が満額です。令和6年度が6万8000円だったため、1308円増加しています。
 
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度における国民年金の平均受給額は5万7700円です。なお、令和5年度の支給額の満額は6万6250円でした。
 

厚生年金

厚生年金は老齢厚生年金とも呼ばれます。主な加入対象者は会社員や公務員で、自営業者や専業主婦(夫)などは対象外です。厚生年金への加入歴があり、国民年金の受給条件を満たしていれば、原則65歳から厚生年金を受け取れます。
 
厚生年金は、加入期間の月数と加入期間中の収入額に応じて受給額が算出されます。収入は人それぞれであるため、厚生年金の受給額にも差が生じることは少なくありません。
 
厚生労働省の同資料によると、国民年金を含めた厚生年金の平均受給額は14万7360円とされています。
 

年金だけで老後生活は可能?

総務省の家計調査を参考に、65歳以上の単身無職世帯と夫婦のみの無職世帯における平均支出額を表1にまとめました。なお、表1における非消費支出額とは、直接税と社会保険料を合算したものです。
 
表1

65歳以上の単身無職世帯 65歳以上の夫婦のみの無職世帯
消費支出(月平均額) 14万5430円 25万959円
非消費支出(月平均額) 1万2243円 3万1538円
合計額 15万7673円 28万2497円

出典:総務省「総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
前述の通り、国民年金を含めた厚生年金の平均受給額は14万7360円です。そのため、単身世帯では1万313円の赤字が生じます。あくまで平均額による収支計算ですが、年金収入だけで生活することは難しいでしょう。年金以外の収入源を用意するか、貯蓄を切り崩すなどの対策が必要です。
 
夫婦2人が平均額の国民年金と厚生年金を受け取れるのであれば、年金収入は29万4720円となります。収支計算上は1万2223円の黒字となるため、年金収入のみで老後生活を送る事は可能でしょう。ただし、毎月の支出額を平均程度に抑えられる前提の計算です。
 

年金の受給額を確認する方法

老後の家計収支を考える場合、自分が受け取れる年金額を把握しておくことが大切です。その際に役立つのが「ねんきん定期便」です。
 
ねんきん定期便は誕生月に日本年金機構から送付されるもので、年金の支給額や過去の納付額といった記録がまとめられています。老後資金や生活の見通しを立てるためにも、ねんきん定期便が届いたら中身を確認しておきましょう。
 

年金受給額が月額10万円は少なめ

年金の種類はさまざまですが、多くの人が受け取るのは国民年金と厚生年金です。
 
国民年金と厚生年金を合わせた平均受給額は月額14万7360円です。年金の受給額は保険料の納付期間や加入期間などによって人それぞれですが、月額10万円の年金受給額は平均以下といえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(8,19ページ)
総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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