定年後「企業年金」をもらっていなかったことが発覚…! 「受給開始時期」から「6年」がたっていますが、今からでももらえますか?
企業年金は申請しなければ受給されないため、申請を忘れて受け取れないままになっているケースが存在しているようです。もらい忘れがないよう、手続き方法を確認しておきましょう。
本記事では、企業年金のもらい忘れが生じる理由や、受給開始時期を過ぎてしまっても受け取りが可能かどうかについて紹介します。
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「企業年金」とは?
企業年金とは、企業が社員に支給する年金です。
もともと日本の年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」と、会社員などが加入する「厚生年金」の2階建て構造になっています。企業年金は「3階建て部分」に当たるもので、企業が任意で設立し、社員が加入する形になります。
公的年金にプラスして受け取れる年金であるため、より充実した老後の生活保障につながるでしょう。
企業年金には、以下の種類があります。
●確定給付企業年金(規約型/基金型)
●確定拠出年金
●厚生年金基金
●中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度
自分が加入している企業年金の種類を調べるには、就業規則や退職金規約、給与明細を確認したり、会社の人事・総務担当者に照会したりするとよいでしょう。
企業年金のもらい忘れが生じる理由は?
企業年金連合会によると、令和6年3月末における企業年金の裁定請求書未提出者数は113万8000人です。うち、67万8000人は請求書が本人に届かないことによる未提出です。
企業年金の受け取り時期が近づくと、企業年金連合会から本人のもとへ通知が届きます。しかし、退職後に住所や氏名に変更があったにもかかわらず手続きをしなかった場合などは、通知が届かない可能性があります。
企業年金をもらえることを本人が忘れていたり、よく知らなかったりした場合、企業年金の存在自体を忘れてしまうこともありえます。
また、裁定請求書未提出者の中には、請求保留者も46万人ほどいます。通知は届いていても、制度が複雑で仕組みをよく理解できていないことが原因で手続きをしていない人もいると考えられます。
受給開始時期から6年たっていても受給できる?
今回の事例では「定年後6年経過し、企業年金をもらっていないことが発覚した」ということですが、企業年金連合会によると「手続きが遅れても受給権発生月の翌月分から受給できることに変わりはない」ということです。
しかし、企業年金には時効があります。本来請求する必要があった時期から5年を経過して請求した場合、請求日からさかのぼって5年より前の期間は時効により年金を受けられなくなってしまいます。
今回の事例では6年経過しているため、5年が経過した分の企業年金は受給できないと考えられます。ただし、やむを得ない事情がある場合は理由を書面で申し立てることで受給できる可能性もあります。
手続きしないまま5年経過すると企業年金は受給できなくなる可能性がある
勤め先で企業年金に加入していた場合、定年後に手続きすることで公的年金に上乗せする形で年金を受給できます。
通常、受け取り時期が近づくと通知が送られてきますが、住所や氏名などが変更になっていると通知が届かず、手続きを忘れてしまう人もいます。実際に、請求書が本人のもとへ届かなかったことで手続きしていない人が67万人以上いることが分かっています。
また、手続きしないまま5年以上経過すると時効となり、企業年金を受給できなくなってしまう可能性があります。自分が企業年金に加入しているのか、加入しているのであれば種類は何なのかなど、早めに確認しておくとよいでしょう。
出典
企業年金連合会 連合会年金の未請求者の状況について
企業年金連合会 年金の請求
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
