国民年金が満額ではないので、定年退職後「任意加入」します。さらに月400円の「付加年金」を追加すると、将来の年金はどのくらい増えますか?
この記事では、付加年金を利用することで、将来の年金がどのくらい増えるのか、どのような人が対象なのかをわかりやすく解説します。老後の備えを少しでも充実させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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任意加入と付加年金の基本
60歳以上65歳未満の方は、一定の条件を満たせば国民年金に「任意加入」することができます。この制度は、20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)の保険料をすべて納付していない人が対象で、未納期間や免除期間がある場合に、将来の年金額を増やすために利用されます。
任意加入の目的は、年金の受給資格(10年以上の加入)を満たしたり、受取額を満額に近づけたりすることにあります。ただし、すでに厚生年金に加入している方や、老齢年金の繰上げ受給を開始している方は利用できません。
また、任意加入とあわせて「付加年金」に加入することも可能です。付加年金とは、通常の国民年金保険料(月額1万7510円・2025年度)に月額400円を上乗せして納付することで、将来受け取る老齢基礎年金に「200円×納付月数」が毎年加算される仕組みです。
少ない負担で効率よく年金額を増やせるため、加入期間が限られる任意加入者にとっては有利な選択肢といえるでしょう。
付加年金の増額分はどのくらい?
付加年金の増額分は、納付した月数によって変わります。例えば、任意加入で2年間(24ヶ月)付加年金を支払った場合、400円×24ヶ月=9600円。年金受給額には、200円×24ヶ月=4800円(年額)が上乗せされます。
仮に3年間であれば、400円×36ヶ月=1万4400円の保険料を納め、受給額の上乗せ分は200円×36ヶ月=7200円(年額)となります。つまり、2年で支払額と受給額がほぼ釣り合い、3年目以降は毎年受け取る側が得になる計算です。
付加年金の計算式はシンプルですが、納期期限や手続き方法も重要です。支払いを申し出た月以降から開始となり、過去の期間まではさかのぼって加入・納付できません。
任意加入時の注意点とメリット
任意加入で付加年金を利用する際には、いくつかの注意点とメリットがあります。
まず注意点として、国民年金基金に加入している方は付加年金を利用できません。また、学生納付特例や納付猶予など、国民年金保険料の納付が免除・猶予されている期間は利用できません。
一方で、月々400円という少額の負担で、将来受け取る年金を着実に増やせる点は大きなメリットです。この上乗せ分は生涯受け取れるため、長生きするほど恩恵が大きくなります。
さらに、年金の受給開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選択した場合、付加年金も老齢基礎年金と同じ増額率で増えるため、将来への備えとしてより有効です。制度や手続きの詳細は、お住まいの市区町村の年金窓口や日本年金機構で必ず確認し、最新の情報をチェックするようにしましょう。
3年加入なら年7200円増額!月400円の付加年金は長期受給でさらにお得に
定年退職後に国民年金へ任意加入し、毎月400円の付加年金も納付した場合、納付期間1ヶ月ごとに年間200円ずつ老齢基礎年金の受給額が増えます。
例えば、2年間納付なら年4800円、3年間なら年7200円の増額です。長期間受給するほど得になる制度なので、将来への備えとして選択肢に入れるとよいでしょう。
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 付加保険料の納付
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
