将来の年金額が「月10万円」と聞いて驚き!60歳からでも年金受給額を増やす方法はあるの?
しかし、今からでもできる対策はあります。年金を増やす方法を知っているかどうかで将来の安心感が大きく変わるでしょう。
本記事では、年金受給額の実情と60歳からでも年金を増やせる具体的な方法を解説します。将来の年金額を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。
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標準的な年金額はどのくらい?
日本年金機構によると、令和7年度における公的年金の支給額の例は、以下の通りです。
●国民年金(老齢基礎年金の満額支給):月額6万9308円
●厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含んだ標準的な年金額):月額23万2784円
厚生年金の金額は、賞与含む平均月収45万5000円で40年間働いたケースを想定しています。そのため、実際の受給額は現役時代の収入や厚生年金保険への加入年数などによって変動します。また、この金額は令和7年度時点の水準であり、今後改定される可能性がある点にも注意が必要です。
60歳から年金額を増やす方法
年金額を増やす方法は、おもに4つあります。どのような方法なのか見ていきましょう。
任意加入制度を利用する
60歳を過ぎていても、65歳未満の間で条件を満たしていれば国民年金に任意で加入し、保険料を納めることで年金額を引き上げられます。日本年金機構によれば、加入できるのは、以下の条件をすべて満たしている場合です。
●日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
●老齢基礎年金の繰上げ受給をしていない方
●20歳~60歳未満までの保険料の納付月数が480ヶ月(40年)未満の方
●厚生年金保険、共済組合等に加入していない方
支払う保険料は、令和7年度で月額1万7510円です。日本年金機構の試算によると5年間任意加入した場合、総額105万600円を支払うことで、65歳から受け取れる年金が70歳で約51万9000円、75歳で約103万9000円、80歳で約155万9000円増加するようです。
付加保険料を納付する
国民年金の第1号被保険者や60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している人は、定額の保険料に加えて月400円の付加保険料を払うと、将来の老齢基礎年金額を増やすことが可能です。この付加年金は、付加保険料を納めた月数×200円が毎年の老齢基礎年金額に加算され、2年以上受給すれば元が取れる計算になります。
ただし、国民年金保険料の納付免除を受けている人や国民年金基金に加入している場合はこの制度を利用できません。少ない負担で効果的に年金を増やせるため、加入条件を満たしている方はぜひ検討したい制度といえるでしょう。
年金を繰下げ受給する
年金は原則として65歳から受け取りますが、受給開始を遅らせる繰下げ受給を選ぶことで年金額を増やせます。66歳以後75歳までの間で選択でき、1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ増額されていきます。
例えば、70歳まで年金の受け取りを繰り下げれば、年金の増額率は42%となり、仮に月10万円の年金が受け取れる場合は、月14万2000円まで増える計算です。75歳まで遅らせると、最大で84%の増額率になります。
注意点としては、繰り下げている間は年金収入がないため、別途生活費の準備が必要です。最近では、60歳以降も働き続けるケースが増えており、収入を得ながら70歳まで繰り下げるのも現実的な選択肢のひとつとなるでしょう。
iDeCo(イデコ)を始める
将来の年金額に不安がある方にとって、iDeCo(個人型確定拠出年金)は心強い選択肢のひとつです。これは、公的年金に上乗せして自分で準備できる私的年金制度で、任意で加入する仕組みです。
65歳まで一定額の掛金の積み立てが可能で、自ら選んだ投資商品で運用することで、運用益とあわせて原則60歳以降に受け取れます。60歳を過ぎてからiDeCoを始めた場合でも、5年間の積立期間を経過すれば資産の受け取りが可能です。
iDeCoには大きな税制メリットがあります。掛金はすべて所得控除の対象となり、所得税や住民税の節税につながるため、家計にとって実質的な手取り増加という効果も得られます。
将来への不安を少しでも減らすために、自分に合った運用スタイルでiDeCoを活用することも、年金の不足分を補う有効な方法といえるでしょう。
60歳からでも年金受給額を増やす方法はある
年金額が月10万円と聞くと将来に不安を感じるかもしれませんが、60歳からでも取り組める対策は確実に存在します。任意加入制度や付加保険料の納付、繰下げ受給といった制度を活用すれば、公的年金の受給額を増やすことが可能です。
さらに、iDeCoのような私的年金制度を組み合わせることで、節税しながら老後資産を増やせます。自分に合った方法を選び、できることから始めていきましょう。
出典
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
日本年金機構 あなたも国民年金を増やしませんか?
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
