娘の旦那さんは「年収1000万円」だそうです。将来の年金額はいくらくらいなのでしょうか?

配信日: 2025.07.28 更新日: 2025.10.21
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娘の旦那さんは「年収1000万円」だそうです。将来の年金額はいくらくらいなのでしょうか?
娘の夫など、身近な人が高収入だと聞くと、将来受け取れる年金額がいくらくらいになるのか気になることもあるかもしれません。年金は、ねんきん定期便で確認する以外にも、計算方法を知っておくと自分で目安を求められる場合があります。
 
今回は、将来受け取れる年金額の決まり方や年収1000万円で受け取れる年金額の目安、年金の最高額などについてご紹介します。
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高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

将来受け取れる年金額の決まり方

会社で働いている人が将来受け取れる公的年金は、おもに老齢基礎年金と老齢厚生年金です。それぞれで金額の決まり方は異なるため、計算方法を知っておきましょう。
 

老齢基礎年金額の決まり方

老齢基礎年金額は、国民年金保険料を納めた月数によって決まります。20歳から60歳まで、すべての月で年金を納めていれば、満額を受給できることになります。日本年金機構によれば、令和7年度の場合、満額受け取れる場合の受給額は月に6万9308円です。年額では83万1700円です(100円未満の端数について50円以上100円未満を100円に切り上げ)。
 
一方、未納期間や免除期間などがある場合は、その期間に応じて年金額が変動します。日本年金機構によると、令和7年度の金額を基にした老齢基礎年金額の求め方は以下の通りです。
 
・83万1700円×(保険料納付月数+全額免除月数×2分の1+4分の1納付月数×8分の5+半額納付月数×4分の3+4分の3納付月数×8分の7)/40年×12ヶ月
 
つまり、納付の形態によって異なる掛け率が設定されており、それらをすべて合算した割合が満額から差し引かれる、ということになります。なお、免除ではなく猶予制度を利用した部分に関しては、納付月数には加算できません。
 

老齢厚生年金額の決まり方

老齢厚生年金額は、基本的に報酬比例部分の計算で求められますが、被保険者期間が平成15年4月以降か平成15年3月以前かで計算式が変わります。平成15年4月以降に加入した場合の計算式は「加入月数×0.005481×平均標準報酬額」です。
 
平均標準報酬額とは、加入期間のうち税金が引かれる前の手当てなどを含めた給料である標準報酬月額(一定金額ごとに区分)と、税金が引かれる前の賞与から1000円未満を切り捨てた標準賞与額を合計し、平成15年4月以降の加入月数で割ったものを指します。
 
なお、標準賞与額に使われる賞与は、年3回以下のものとされているため、年4回以上受け取るものは含まれません。
 

年収1000万円で受け取れる年金額の目安

以下の条件で、年収1000万円の場合の受け取れる年金額の目安を計算してみましょう。

●国民年金は満額納付済み
●令和7年度の金額とする
●年収1000万円を12ヶ月で割った約83万3333円を報酬月額とする
●厚生年金の加入期間は22~65歳の43年(516ヶ月)
●平成15年4月以降に加入
●収入は全期間で一定とする
●賞与は考慮しない
●報酬比例部分を老齢厚生年金額とする

まず、条件を基にすると老齢基礎年金額は83万1700円です。
 
そして、老齢厚生年金額に使う平均標準報酬額で必要な標準報酬月額は最大で65万円です。今回は賞与を考慮しないため、計算式は「516ヶ月×0.005481×65万円」となり、年間の老齢厚生年金額は約183万8327円になります。
 
老齢基礎年金額と合計すると、勤務を始めてから変わらず年収1000万円だったと仮定したときの年間の年金額目安は267万27円です。月額だと約22万2502円になります。
 

年金の最高額はいくら?

国民年金をすべて納めたうえで、標準報酬月額と標準賞与額が最大値だった場合、支給される年金は理論上の最高額となります。
 
先ほどと加入期間が同条件だとすると、標準賞与額の総額の最大値は「150万円×3回×43年」、標準報酬月額の総額の最大値は「65万円×516ヶ月」になります。それぞれを合計して平均を求めると、平均標準報酬額は102万5000円です。
 
これを報酬比例部分の式に当てはめると289万8901円となり、令和7年度の老齢基礎年金額と合計した373万601円が計算上の年金の最高額になります。
 
ただし、実際には会社で働き始めた初年度から収入が最高額相当であるケースは少ないと考えられます。年金額のより実情に近い目安を知りたいときは、ねんきん定期便やねんきんネットなどで確認することをおすすめします。
 

勤務を始めてから変わらず年収1000万円なら月に約22万2502円が目安

国民年金を満額支払っている場合、今回のケースにおいて、年収1000万円の人の年金額は267万27円、月約22万2502円が目安です。ただし、実際には収入は変動するので、あくまでも目安のひとつとしてください。
 
年金の最高額も同様で、もし働き始めてから退職するまで同じ年収であれば年間に370万円以上受け取れる可能性があります。しかし、実際に入社した1年目からそれだけ収入を得ている人は少ないと考えられます。
 
自身や知人の年金額を知りたいときは、ねんきん定期便やねんきんネットなどで確認するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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