25歳の娘がうつ病に…。「障害年金」は対象になりますか?いくらもらえるのでしょうか?

配信日: 2025.07.29 更新日: 2025.10.21
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25歳の娘がうつ病に…。「障害年金」は対象になりますか?いくらもらえるのでしょうか?
「うちの娘、もう何ヶ月も働けていない…このまま生活はどうなるのだろう」。
 
家族の誰かがうつ病になったとき、本人だけでなく支える家族も大きな不安を抱えます。そんなときに頼れる制度の一つが「障害年金」です。でも、「うつ病でももらえるの? 」「いくらもらえるの? 」「手続きは大変なの? 」と疑問は尽きませんよね。
 
本記事では、25歳の娘さんがうつ病を患っているという想定で、障害年金の対象になる条件や受給額の目安、そして申請時のポイントまで解説します。
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うつ病でも障害年金はもらえる?知っておくべき受給条件

うつ病は精神障害に該当する病気の一つであり、一定の条件を満たせば障害年金の対象となります。
 
実際、精神疾患による障害年金の申請件数は増加傾向にありますが、厚生労働省年金局の「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書」によると、令和6年度の新規認定では約12%が精神疾患によるものでした。障害年金が受給できる主な条件は以下のとおりです。


・初診日が年金加入中、または20歳未満・60歳以上65歳未満の場合にも特例で対象となることがある(25歳はもちろん対象範囲内です)
・病気やけがのため日常生活や労働活動に著しい制限があること
・病状が継続し、治療を受けている場合
・初診日の前日時点で年金保険料の納付要件(3分の2以上納付、または直近1年未納なし)を満たしていること

特に「どの程度、日常生活に支障があるか」が重視され、家から出られない、服薬なしでは日常生活の維持が難しい等、自立度が認定の判断基準となります。
 

実際にもらえる金額はいくら? 受給例を交えて解説

障害年金の金額は、「障害基礎年金」(国民年金のみ)か「障害厚生年金」(厚生年金加入歴あり)かによって異なります。
 
【ケース1 国民年金のみ】
障害基礎年金2級は2025年度の年額83万1700円(月額6万9308円)です。子どもがいれば加算分が支給されますが、いなければ加算はありません。
 
【ケース2 厚生年金加入歴あり】
障害厚生年金(2級)の場合、「障害基礎年金(83万1700円)+報酬比例部分(本人の給与・加入期間で算出)」が受給額になります。
 
例として報酬比例部分が70万円なら合計約150万円/年ですが、実際の金額は日本年金機構のツール等で確認してください。なお、加入期間・給与が多いほど金額は大きくなります。
 

申請は難しい? 受給までの流れと家族ができるサポート

障害年金は、審査で不支給となるケースも多く、「もらえる人・もらえない人」の差が現れることが特徴です。申請では、本人の病状や日常生活の状態を正確に書類(診断書や病歴・就労状況等申立書等)で伝えることが極めて重要です。
 
申請に必要な主な書類は、精神の障害用の診断書、病歴・就労状況等申立書、初診日を確認する受診状況等証明書のほか、障害年金裁定請求書や場合によっては住民票や戸籍謄本なども必要です。家族ができるサポートとしては、


・主治医に生活の様子を正確に伝える
・日々の様子をメモや記録に残す(例:寝込む日数、会話の有無、薬の影響など)
・市区町村の年金窓口や社会保険労務士に相談し、書類作成支援を受ける

特に「病歴・就労状況等申立書」は審査で極めて重要視されます。書き方に迷う場合は、障害年金に詳しい社会保険労務士へ相談するのが確実です。
 

迷ったら専門家に相談を。制度を正しく使って支える力に

うつ病で働けない状況でも、障害年金を受け取れる可能性は十分にあります。25歳という若さでも、就職歴があれば厚生年金としての申請も可能ですし、学生時代に国民年金を納めていれば、基礎年金の対象になります。
 
大切なのは、「対象になるか不明だから」とあきらめず、まず調べてみることです。そして、家族としてできるのは、「無理をしないで申請しよう」「ちゃんと支援制度があるよ」と伝え、本人を精神的にも支えること。
 
不安が大きい場合は、社労士や年金窓口に相談することから始めてみてください。制度を正しく使えば、娘さんのこれからの生活を少しでも支える安心材料になります。
 

出典

厚生労働省年金局 令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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