60歳になり、ついに「iDeCo」の受け取りが可能に…!運用中は非課税でしたが、受け取る際には「税金」がかかってしまうのでしょうか?
iDeCoは運用益が非課税となるなど税制面のメリットが魅力ですが、受取時に税金が発生するケースがあります。本記事では、iDeCoの受け取り方法ごとの課税のしくみや請求手続きの基本を、分かりやすく解説します。
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目次
iDeCo受取時に課税される税金
iDeCoは積立時と運用時に税制上の優遇がある制度ですが、年金資産を受け取るタイミングによっては、所得税や住民税が課税される場合がある点に注意が必要です。
ただし、それぞれの控除の要件に当てはまる場合には、受け取る年金資産の額から一定の金額が差し引かれ、結果的に課税額をおさえられる可能性があります。
iDeCoの受け取り方法
iDeCoの受け取り方法は、「一時金として一括で受け取る」「年金として受け取る」「一時金と年金を組み合わせて受け取る」のいずれかから選択することが可能です。それぞれの受け取り可能な年齢や受け取り方のしくみは、以下の通りです。
●一時金として受け取る:原則として60歳に到達した後から75歳の誕生日までの間で、一括して受け取る
●年金として受け取る:原則として60歳を迎えると受給資格が発生し、5年以上20年以下の有期年金として、定期的に受け取る
●一時金と年金を組み合わせて受け取る:60歳に達した時点で年金資産の一部を一時金で受け取り、残った分を年金として受け取れる
ライフプランやほかの収入状況、将来の生活設計も見据えながら、自分に合った受け取り方を選びましょう。
iDeCo受取時に適用される控除
iDeCoを受け取る方法によって、適用される控除の種類が異なります。それぞれのケースを解説します。
一時金として受け取る場合
積み立てたiDeCoを一時金として受け取る場合に適用される控除は、「退職所得控除」です。適用される退職所得控除の金額は、掛金を拠出した期間に連動しているため、長期間積み立てを行った人ほど控除額が多くなります。
なお、2026年1月以降に支払われる一時金については、受け取る際に適用される「5年ルール」が「10年ルール」へと改正される予定です。
これにより、iDeCoを一時金として受け取った後、退職金を受け取るまでに10年以上経過していないと、それぞれに対して退職所得控除をフルに活用できなくなる見込みです。そのため、受け取り時期の調整がより重要になるでしょう。
年金形式で受け取る場合
iDeCoを年金形式で受け取る場合は、「公的年金等控除」が適用されます。控除により、一定の金額までは課税されずに受け取れます。
控除額は年齢やその年の年金収入に応じて変動するため、年ごとの収入や支出の状況を踏まえて、受け取り時期や受け取り方法を検討するといいでしょう。
iDeCoを受け取るには裁定の請求が必要
iDeCoを受け取るときは、記録関連運営管理機関に裁定の請求を行わなければなりません。記録関連運営管理機関の連絡先は、定期的に送られてくる「年金資産の残高の通知」などに記載されているため、事前に通知を確認しておくとスムーズに請求できるでしょう。
iDeCoの受取時は「税金」がかかってしまうことがある
iDeCoは節税効果の大きい制度ですが、受取時に税金がかかるケースがあることを理解しておくことが大切です。ただし、一時金には退職所得控除、年金形式には公的年金等控除が適用され、税額を軽減できる可能性があります。
受け取り方法によって控除の種類が異なるため、ほかの収入との兼ね合いやライフプランを考慮しながら、自分に合った方法を選びましょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
