実家で見つけた「オレンジ色」の年金手帳。私の「青色」と何が違うの?年金額に違いはある?
本記事では、年金手帳の色の違いから見える制度の背景や、知っておきたい年金記録の確認方法について解説します。将来の年金を安心して受け取るために、今のうちに手帳と記録の状況を確認しておきましょう。
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目次
オレンジ色の年金手帳って何?
オレンジ色の年金手帳は、基礎年金番号制度が導入される前に発行されたものです。現在は青色の手帳が主流ですが、平成9年より前に発行されたものはオレンジ色もしくは茶色で、これは制度の移行に伴うデザイン上の変更です。
つまり、色は加入時期の目安にはなるものの、手帳の色そのものが年金額に直接影響するわけではありません。重要なのは、過去の記録が現在の基礎年金番号に正しく統合されているかどうかという点になります。
年金手帳の色は発行年で違う
年金手帳の色は、年金制度の整備にあわせて変遷してきました。日本年金機構によれば、昭和35年10月~昭和49年10月に資格取得をした人には茶色、昭和49年11月~平成8年12月はオレンジ色、平成9年1月~令和4年3月は青色の手帳が発行されています。
青色の手帳は、基礎年金番号制度の導入の際に登場し、これにより年金記録の一元管理が進められ、複数の制度間での情報連携が可能になりました。
さらに、令和4年4月以降は年金手帳そのものが廃止され、「基礎年金番号通知書」のみが交付されるようになりました。今後は手帳自体が存在しない世代も増えるため、記録の管理方法がより重要であるといえるでしょう。
オレンジ色の年金手帳を持っている人が確認すべきこと
オレンジ色の年金手帳を持っている方は、加入履歴や過去の記録が現在の基礎年金番号に正しく統合されているかを確認する必要があります。
その理由は、基礎年金番号が導入される前に加入していた記録が、新制度に完全に移行されていないケースが一部存在するからです。例えば、結婚などで姓が変わった人、複数の会社での勤務経験がある人、学生時代に国民年金を納付していた人は、記録が未統合で年金の受給額が少なくなっている可能性があります。
記録を確認するには、日本年金機構が提供している「ねんきんネット」の活用が便利です。利用登録またはマイナポータルからの連携を行えば、過去の加入履歴をウェブ上で確認できるので、漏れがないかチェックしましょう。インターネットの利用が難しい場合や、記録に不安がある場合は、年金事務所などでの相談も可能です。
手帳の色をきっかけに年金記録が正しく管理されているかを見直すことが大切です。オレンジ色の手帳は、過去の加入履歴を示す重要な手がかりになるので、放置せず確認しておきましょう。
オレンジ色の年金手帳に不備があった場合の対処法
年金の記録に不備が見つかった場合は、早めに年金事務所や街角の年金相談センターに問い合わせましょう。なぜなら、記録の漏れや誤りを放置すると、将来受け取れる年金額が少なくなってしまう可能性があるからです。
対処方法としては、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターで相談のうえ、年金記録に漏れや誤りがないかを調査してもらいます。年金手帳や当時の給与明細、勤務先の資料を持参すると、記録の調査がスムーズです。
将来の年金受給に不安を残さないためにも、記録を確認し、不備があった場合は適切な対応を進めておくことが安心につながります。
「オレンジ色の年金手帳」は旧制度のときのもの|記録の統合漏れがあると年金額に違いが見られる場合も
オレンジ色の年金手帳は、旧制度下で発行されたものであり、見た目の違いは発行時期に由来するものです。重要なのは、過去の記録が現在の基礎年金番号に紐づけされているかどうかです。記録の漏れや未統合があると、将来の年金額に差が生じる可能性があります。
ねんきんネットや年金事務所などを活用し、早めに確認・対応しておくことで、将来の不安を軽減できます。手帳の色の違いをきっかけに、記録のチェックを行ってみましょう。
出典
日本年金機構 基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
