義母に「手続きしておいた」と言われた遺族年金、2ヶ月経っても振り込まれない…支給までに2ヶ月もかかるものなの?振込が遅れる原因も解説
本記事では、遺族年金の支給までにかかる時間の目安や、振込が遅れる理由、振込が遅れたときの対処法について解説します。
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
遺族年金は「すぐ」には支給されない
遺族年金には、主に2種類あります。国民年金加入者が亡くなった際の遺族基礎年金と、厚生年金加入者の遺族に支給される遺族厚生年金です。どちらも請求には、原則として手続きが必要です。
また、遺族年金はすぐには支給されないことがあるようです。遺族年金を受け取るには、年金請求書を提出しなければならないのですが、その後、実際に年金が支給されるのは、早くても2ヶ月程度、遅い場合は4ヶ月程度かかることもあるようです。
特に請求書や手続きに不備がなくとも、年金給付の調整のため、支給には2ヶ月以上かかることもあります。
振り込まれないときに考えられる原因とは
手続きから2ヶ月も過ぎると、不安にもなるでしょう。その間の生活も心配です。では、そうなってしまっているのは、どのような原因が考えられるか挙げていきましょう。
原因の一つはまず、自分で手続きしていないことが挙げられます。なぜなら、年金手続きは自分で行うことが原則だからです。代理人でも手続きすることは可能ですが、それには本人からの委任状が必要です。
今回のケースでは本人からの申請に基づかない申請として処理が遅れたり、そもそも処理が止まっていたりすることもあり得ます。
ほかにも、書類の不備や複数の年金を同時に受け取るような場合、あるいは年金の給付に調整があるなど、特別な事情があれば遅れることがあります。
いずれにせよ、状況の把握が必要なのですが、自分で手続きをしていない状態では、それも難しいでしょう。
まずは最寄りの年金事務所に状況を相談してみましょう。
遺族年金だけの生活は難しい
そもそも、遺族年金はどれくらいの金額を受け取ることができるのでしょうか。遺族年金の額は、夫の生前の収入や現在の家族構成によっても異なります。場合によっては、受け取れないこともあります。
日本年金機構によると、令和7年4月分からの遺族基礎年金の受給額は、年額83万1700円に加えて、子1人につき23万9300円が加算されます(昭和31年4月2日以後生まれの方)。また、子の加算額は、3人目以降1人につき7万9800円です。
なお、遺族基礎年金は、配偶者が受け取る場合、子がいなければなりません。
ここでいう子とは、18歳に達する年度末までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方をいいます。そのため、子はいるがすでに成人になっている場合は、遺族基礎年金は受け取ることができないため注意が必要です。
そしてもう一つ、夫が厚生年金に加入していた場合に受け取れる遺族厚生年金の額は、おおむね夫が受け取る老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3といわれています。
ただし、実際の金額には個人差がありますので、実際の金額を知るには、最寄りの年金事務所へ確認することをおすすめします。
まとめ
遺族年金の支給は、申請後すぐに振り込まれるものではなく、少なくとも2ヶ月程度の時間がかかることが通常です。しかし、「申請したつもり」になっていたり、書類の不備で処理が止まっていたりするケースも多く、場合によっては4ヶ月程度かかることもあるため、不安を感じた時点で、年金事務所に連絡して確認することが重要です。
そもそも、遺族年金の受給は、本人の手続きが原則であるため、義母といえども他人がした手続きの場合は確認が必要でしょう。
遺族年金は、遺族の生活を支える大切なものです。少しでも不安を感じたら、すぐに年金事務所へ問い合わせるようにしましょう。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者 : 柘植輝
行政書士
