40代ですが、ねんきん定期便の受給見込額は「年額約100万円(月額約8万円)」でした。老後を乗り切れる気がしないのですが、もう金額は増やせないのでしょうか?

配信日: 2025.08.19 更新日: 2025.10.21
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40代ですが、ねんきん定期便の受給見込額は「年額約100万円(月額約8万円)」でした。老後を乗り切れる気がしないのですが、もう金額は増やせないのでしょうか?
ねんきん定期便を受け取った際、想定よりも受給額が少ないと感じた経験のある人もいるでしょう。今回は、ねんきん定期便に書かれている金額の意味や、ねんきん定期便の見方、年金額の目安の計算方法などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

ねんきん定期便の金額はその時点での見込額

まず、ねんきん定期便に記載されていた金額が、必ずしも将来の年金額と同じとは限らないようです。日本年金機構によると、ねんきん定期便に書かれている金額は、その時点までの年金保険への加入実績などに基づいて計算されたものです。
 
そのため、受け取った年以降の年金の加入状況や、年金制度の改正などによって変動する可能性もあります。受け取った時点での金額は、あくまでも目安として考えておくといいでしょう。
 

ねんきん定期便の見方

年金定期便は、年齢によって届く書類の形式や内容が少し異なります。今回は、45歳を除く50歳未満に届くはがき形式の年金定期便の見方についてご紹介しましょう。
 
50歳未満の場合、記載されている内容はおもに今までの納付額、直近13ヶ月の月別の状況、年金に加入している期間、そしてこれまでの加入実績によって求められた年金額です。
 
はがきには、月別の状況や簡単な加入実績による年金額の目安が記載されています。まずは月別の状況などに間違いがないかを確認しましょう。
 
さらに、それまでの年金の加入期間や保険料の納付状況、加入実績に応じた年金額などが記載されています。年金の加入期間も間違いがないかよく見ておきましょう。もしこれらの情報に間違いがあった場合、近くの年金事務所へ問い合わせが必要です。
 
その年以降も年金に加入し続けた場合などは、現時点で提示された年金額よりも年金は増加していく可能性があります。
 

年金額のおおよその目安の計算方法

まず、老齢基礎年金額は、国民年金を20歳から60歳の40年間、欠かさず支払っていれば原則満額受け取れるでしょう。令和7年度の場合は、満額で年83万1700円、月6万9308円です(生年により異なる場合があります)。
 
老齢厚生年金額は、基本的な報酬比例部分を計算すれば、およその金額は分かります。平成15年4月以降に厚生年金に加入した場合、報酬比例部分の計算式は「厚生年金の加入月数×0.005481×平均標準報酬額」です。平均標準報酬額とは、標準報酬月額と標準賞与額の総額の平均値をいいます。
 
標準報酬月額は、税金が引かれる前の手当なども含めた給料を一定金額ごとに区分した報酬月額に当てはめた金額です。標準賞与額は、年3回以内の範囲で配られる賞与で、賞与の支給1回につき150万円までを上限とし、1000円未満を切り捨てた金額を言います。
 
例えば、月収25万円の場合、標準報酬月額は26万円です。もし賞与を受け取っておらず、給料も一定で厚生年金に40年間加入したとすると、報酬比例部分の計算式は「480ヶ月×0.005481×26万円」となり、68万4029円、月5万7002円を老齢厚生年金として受け取れるでしょう。
 

受け取れる金額を増やす方法

年金の受給額を増やす方法として「繰下げ受給」があります。繰下げ受給は、年金を受け取るタイミングを65歳よりも遅らせることで、月数に応じて年金の受給額が増える制度です。
 
1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額できます。最大75歳まで繰り下げられ、75歳まで繰り下げたときの増加割合は84%です。
 
また、もし国民年金第1号被保険者であれば、40代からでも将来の年金額を増やす方法として付加保険料を納付する方法もあります。付加保険料とは、国民年金に追加で1ヶ月あたり400円支払うことで、老齢基礎年金の受給額を増やせる制度です。「200円×納付月数」分が老齢基礎年金に上乗せされます。
 
さらに、iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用も検討しましょう。iDeCoでは、自分で決めた掛け金を基に運用して資産を形成し、60歳以降にお金を引き出せるようになります。
 

ねんきん定期便の金額は見込額なので変動する可能性がある

ねんきん定期便に記載されている年金額は、その時点での見込額なので、以降の年金の加入状況によって増額する可能性もあります。ねんきん定期便が届いたときは、受給額はあくまでも参考とし、加入状況や加入月数などに間違いがないかを確認しておきましょう。
 
なお、おおよその金額であれば、自分で計算して将来の年金額を求めることもできます。今回ご紹介した方法で求めてみるのもいいでしょう。少しでも受給額を増やしたい場合は、繰下げ受給制度の利用や付加保険料の納付、iDeCoなどの利用も選択肢の一つです。
 

出典

日本年金機構 年金Q&A(ねんきん定期便の記載内容)「ねんきん定期便に表示されている年金額は、将来必ず受け取ることができる金額ですか。」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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