周囲には年金が「月15万円」いかない人ばかりです。都内で年金が「月20万円超え」の人って何%存在するのでしょうか?
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東京で月20万円超の年金受給者はどれだけいるのか?
厚生労働省年金局が公表している資料「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(基礎年金を含む)の平均月額は約14万7360円ということです。つまり、「月20万円以上」という金額は、平均よりかなり高い水準であることが想定されます。
東京都のみを対象とした正確なデータはありませんが、全国的に、月20万円以上を受け取っている人は10~20%程度であるようです。また、都内に住んでいるからと言って特別に年金が多いわけではなく、全国の傾向と大きくは変わらないと考えられます。
ただし、受給額は「世帯単位」で見た場合に大きく違ってきます。夫婦で厚生年金を受け取っている世帯では7割以上が月20万円を超えているようです。
家族形態や就労状況が年金額に大きく影響していることが調査結果より分かります。
月20万円を超える年金受給には年収700万円以上が目安
公的年金は「老齢基礎年金(国民年金)」と「老齢厚生年金」の2階建てで構成されています。1階部分が老齢基礎年金、2階部分は厚生年金で、会社員や公務員などが加入します。
基礎年金は収入に関わらず一律(満額支払いをしている場合)ですが、厚生年金は「現役時代の賃金」と「加入期間」によって受給額が決まります。したがって同じ年齢で退職しても、現役時代に高収入だった人とそうでない人とでは、月に受け取れる年金額に大きな差が出るでしょう。
理論上の最高受給額は37万円ほどといわれていますが、これは年収が高く、かつ長期間加入した場合に限られる「ごく一部のケース」といえるでしょう。
なお、日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」によると、老齢基礎年金(満額)も含む、夫婦2人分の老齢厚生年金の平均受取額は23万2784円ということです。
老後資金を確保するためにできる工夫
「20万円を超える人がいる」と聞くと、自分もそうなれるのではと期待する人もいますが、前述のように条件はかなり厳しいでしょう。そのため、老後の生活を安心させるには「公的年金に加えて、どのように資産を補うか」が重要になるといえます。
まず考えたいのは退職金や企業年金です。大企業や公務員の場合は手厚い企業年金がある可能性が高い一方で、中小企業や自営業では受けられる制度が限られていることがあるでしょう。自分の勤務先にどんな制度があるのかを早めに確認しておくことが大切です。
また、最近ではiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった制度も整備されており、税制優遇を受けながら老後資金を積み立てることが可能です。たとえば、毎月1万円を30年間積み立て、利回り3%で運用できた場合、約580万円の資産を作ることができます。これは年金だけでは足りない部分を埋める大きな力になるでしょう。
まとめ
月20万円を超える年金を受け取れる人は、全国的に見ても決して多数派ではないでしょう。多くの人は15万円前後です。
つまり、公的年金だけでゆとりのある生活を送るのは容易ではなく、世帯の形態や現役時代の働き方によって大きな差が生まれるでしょう。だからこそ、老後の生活を安定させるには、年金に加えて自助努力による備えが欠かせません。
老後の生活を安定させるには、公的年金に頼るだけでなく、現役時代からの貯蓄や資産形成も欠かせないといえるでしょう。
出典
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(8ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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