国民年金を2ヶ月だけ納付していなかったことが発覚! 「478ヶ月」と「480ヶ月」、2ヶ月変わるだけで年金額はいくら減る?
この記事では、国民年金の計算方法と具体的な金額差を分かりやすく解説します。
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目次
2ヶ月の未納で年金はどれくらい減る? 減額の計算方法をシンプルに解説
老齢基礎年金は、基本的に国民年金保険料の納付月数や免除期間等に応じて受給額が決まります。
計算方法はシンプルで、免除を受けた期間がない場合、満額の老齢基礎年金額に「納付月数÷480ヶ月」を掛けて算出します。満額となるのは40年間、すなわち480ヶ月すべてを納めた場合です。2ヶ月の未納があると、分母の480に対して分子が478となるため、満額から少しだけ減額される仕組みになっています。
このように、計算式自体は非常に分かりやすく、納付月数の不足分がそのまま年金額に反映されることが特徴です。
具体例で比較:480ヶ月(満額)と478ヶ月(2ヶ月不足)の受給額を見てみよう
では実際に、2025年度の老齢基礎年金の年金額をもとに比較してみましょう。日本年金機構によると、2025年度の老齢基礎年金は、年額で83万1700円、月額にすると6万9308円です。
もし480ヶ月すべて納めていれば、満額の83万1700円を受給できます。一方で、478ヶ月しか納めていなかった場合は、83万1700円に「478÷480」を掛けた金額が支給額となり、年額は約82万8235円になる計算です。差額は年間でおよそ3465円です。
月額に直すと、満額は6万9308円であるのに対し、478ヶ月の場合はおよそ6万9020円となり、その差は約288円です。2ヶ月不足するだけで月に約288円、年間でおよそ3465円の減額が発生することになります。
数字としては小さな差に見えますが、20年、30年と長い受給期間で考えると累計の差は大きくなります。例えば20年間であれば約6万9000円、30年間では10万円を超える差額となり、長期的には生活に影響を及ぼす可能性もあります。
なぜ2ヶ月違うだけで金額差が出るのか? 原因を仕組みから理解しよう
たった2ヶ月の未納であっても金額差が出るのは、前述の通り、老齢基礎年金が比例計算で決まる仕組みだからです。納付月数が満額の480ヶ月に達していないと、その不足分がそのまま反映され、受給額が減ってしまいます。
また、年金額は毎年物価や賃金の変動などに合わせて改定されるため、実際の減額分は将来の金額に応じて変化していきます。
つまり、未納月数が小さくても仕組み上は必ず減額され、その差は長い年月の中で積み重なっていくのです。年金制度は「わずかな不足でも公平に反映させる」設計になっているため、短期間の未納であっても軽視はできません。
まとめ:2ヶ月の未納が生む差と、今すぐできる対策
今回の計算例から分かるように、2ヶ月の未納があると年間で3000円以上、月額にして約300円の減額が生じるケースがあります。少額に思えるかもしれませんが、長い受給期間を考えると累計で数万円の差につながります。老後の生活は余裕があるとは限らず、こうした小さな差も積み重なれば家計を左右する要因になりかねません。
未納があることに気づいた場合は、放置せずに対応を検討することが大切です。60歳以降であれば「任意加入制度」を利用し、不足分を補うことが可能です。また、日本年金機構が提供している「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で定期的に納付記録を確認し、未納がないかを早めに把握する習慣を持つと安心です。
たとえ2ヶ月でも、将来の年金額に確実に影響を与えることが分かりました。今からできる対策を進め、老後の生活設計をより確かなものにしていきましょう。
出典
日本年金機構 老齢年金ガイド令和7年度版 老齢年金の年金額(5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
