友人は年金「20万円」を受け取っているようです。現役時代、どれだけ稼げば20万円ももらえるのですか?

配信日: 2025.08.27 更新日: 2025.10.21
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友人は年金「20万円」を受け取っているようです。現役時代、どれだけ稼げば20万円ももらえるのですか?
友人から「年金を月20万円受け取っている」と聞いて、現役時代どれだけ稼いでいたのかと、驚いたことのある方もいるかもしれません。
 
そこで本記事では、20万円の年金を得るために必要な現役時代の収入や働き方、また「20万円」がどの程度の水準なのかを詳しく解説します。
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年金が月20万円もらえる人はどんな人?

月20万円の年金を受給するには、一定の条件があります。まず日本の公的年金は、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金の2階建てです。自営業などで国民年金だけの場合、満額でも2025年時点で月7万円未満のため、月20万円は不可能だといえるでしょう。
 
これは、主に会社員や公務員で厚生年金に長期間加入し続けた方のみが現実的に目指せる金額となっています。厚生労働省のデータによると、月20万円以上の年金受給者は決して多くはなく、男性全体の24%、女性では1.3%にとどまっています。この数字からも、20万円はかなり高いハードルであることが分かります。
 

月20万円の年金を得るために現役時代に必要な年収とは

国民年金(老齢基礎年金)は、満額加入を前提としても2025年時点で年額83万円程度です。20万円の年金(月額)を受け取るには、これに加えて厚生年金からの給付が必須となります。
 
2025年度の新しい制度・モデルケースでシミュレーションすると、40年間継続して厚生年金に加入し続け、平均年収700万円~730万円程度を維持し続けた場合、ようやく月20万円程度になります。
 
例えば、40年間厚生年金に加入し、毎年の平均年収が715万円(土日や有給休暇を除くと月給60万円ほど)の方で、月20万円に到達するようです。
 
共働き世帯の場合は、夫婦それぞれの年収や加入年数によって条件がやや下がる可能性もありますが、一般的なサラリーマンの平均年収である460万円(国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」)と比べると、かなり高い水準が求められる現実があります。
 
また、年金額は賃金の伸びやインフレ率、制度改正の影響も受けるため、単純に700万円超の収入があれば誰でも確実に20万円を受給できるとは限らない点には注意が必要です。
 

年金受給額の実態と平均

厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際の日本における年金生活者の平均受給額は、厚生年金で約14万円、国民年金のみの場合は約6万円です。月20万円以上を受け取っている人の割合は全体の中で決して多くありません。
 
「友人が20万円もらっている」というのは全国的にも上位に入るレベルであり、大半の方は15万円前後となっています。
 
もちろん、職種や勤続年数によっても異なります。例えば大企業に正社員で長く勤め続けた場合や、管理職など責任ある立場で働いた方は、20万円を超えるケースもあるかもしれませんが、年金だけでゆとりのある生活を送れるのは、一部という現実があります。
 

まとめ

月20万円の年金をもらうには、40年間にわたり厚生年金に加入し、平均年収で700万円程度を維持し続けることが必要です。これを達成するには、計画的にキャリアを積み重ねることや、収入を増やす努力が欠かせないでしょう。また、平均受給額は14万円程度という現実も把握しておくことが重要です。
 
無理のない範囲で収入アップや、老後の備えとして確定拠出年金、つみたてNISAなどの制度も積極的に活用し、自分の将来の生活設計に役立てていくとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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