大学生の息子から「年金が高くて払えない」と連絡が。親として“代わりに払う”べきですか? 自分の時は「1万円」程度でしたが、今はそんなに高くなっているのでしょうか?

配信日: 2025.08.29 更新日: 2025.10.21
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大学生の息子から「年金が高くて払えない」と連絡が。親として“代わりに払う”べきですか? 自分の時は「1万円」程度でしたが、今はそんなに高くなっているのでしょうか?
日本では、20歳以上60歳未満の全ての人に国民年金への加入と保険料の納付義務があります。とはいえ、大学生にとって年金保険料の負担は決して軽くなく、親に「支払えない」と相談することもあるかもしれません。
 
そもそも、学生は本当に年金保険料を払わなければならないのでしょうか? また、昔と比べて保険料はどれくらい高くなっているのでしょうか?
 
本記事では学生の年金保険料に関して、払えない場合の対処法とあわせて解説します。
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学生でも年金保険料の納付義務がある

日本では、原則として20歳以上60歳未満の全ての人が国民年金に加入する義務があります。これは職業や収入の有無を問わず適用されるもので、大学生や専門学校生などの学生も例外ではありません。
 
そのため、大学2年生で20歳を迎えた子どもには、日本年金機構から「国民年金加入のお知らせ」や「国民年金保険料納付書」などが届きます。これを受けて、初めて「年金って、学生も払うの?」と戸惑う人もいるでしょう。
 

昔と比べて年金保険料はどれだけ上がっている?

「自分が大学生だった頃は、年金保険料なんて月1万円くらいだったはず……」と思う親世代もいるでしょう。実際に数字で確認していきます。
 
例えば、1975年生まれの現在50歳の人が20歳だった時点(1995年度)の国民年金保険料は月額で1万1700円でした。これに対して、2025年度の保険料は月額1万7510円となっています。
 
このように、ここ30年の間で保険料が約1.5倍にまで引き上げられているのです。年金制度を維持するためとはいえ、学生にとってはなかなか負担の大きい金額といえるでしょう。
 

年金保険料を支払わないまま放置するとどうなる?

「お金がないから仕方ない」「学生の間は払わなくても大丈夫だろう」と、納付を後回しにしてはいけません。なぜなら、未納状態が続くと、将来年金を受け取る際に受給資格を満たせない可能性が出てくるからです。
 
国民年金(老齢基礎年金)を将来受け取るには、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上必要です。仮に学生時代の2年間を未納とした場合、その分だけ将来の年金額が減ることになり、受給資格期間が10年に届かなければ年金そのものが受け取れません。
 
さらに、万一事故や病気により障害を負った場合でも、保険料を納めていなければ障害年金が受け取れないリスクもあります。
 
このようなリスクを下げる方法として、学生自身が支払えない場合の手段として「学生納付特例制度の利用」と「親が代わりに支払う」が挙げられます。
 

学生納付特例制度を活用すれば「猶予」が可能

「学生納付特例制度」とは、経済的に保険料を納付することが困難な学生に対し、年金保険料の支払いを猶予する制度です。この制度を利用し、将来働き始めた後に猶予された期間の保険料を追納すれば、年金額に反映されます。
 
また、学生納付特例制度を利用していれば、万一の事故や病気によって障害を負った場合でも、一定の条件を満たせば障害基礎年金を受給できる可能性があります。
 

親が代わりに払ってあげるのも1つの選択肢

学生納付特例制度を利用せず、通常通り納付する場合は、親が代わりに支払うことも可能です。この場合、親の社会保険料控除の対象となるため、年末調整や確定申告で所得控除を受けることができます。
 

まとめ

昔と比べて国民年金保険料は高くなっており、学生が自力で支払うのは大変です。しかし、保険料の納付を怠れば将来の年金受給や万一の保障に大きく関わってくる可能性もあります。
 
学生には猶予制度も用意されていますし、親が支払えば税制上のメリットも得られます。「まだ学生だから」と後回しにせず、将来への備えとして前向きに向き合っていきましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の変遷
日本年金機構 【学生のみなさまへ】学生納付特例制度のご案内
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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