実家に年金手帳が2冊あります。それぞれ「基礎年金番号」が違うのですが、統合されていないということですか? 必要な手続きはあるのでしょうか?

配信日: 2025.08.29 更新日: 2025.10.21
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実家に年金手帳が2冊あります。それぞれ「基礎年金番号」が違うのですが、統合されていないということですか? 必要な手続きはあるのでしょうか?
令和4年3月まで、国民年金や厚生年金の加入者には年金手帳が交付されていました。
 
年金手帳には基礎年金番号が記されているため、大事に持っておくことが重要ですが、人によっては「2冊所有している」というケースもあるかもしれません。
 
この記事では、年金手帳が複数存在する理由と、基礎年金番号が違う場合の対応策について説明します。
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年金手帳が複数ある理由

令和4年4月以降、初めて年金制度に加入する人に対しては基礎年金番号通知書が発行されています。それ以前は加入する際に年金手帳が交付される仕組みでした。
 
年金手帳をすでに持っている人には基礎年金番号通知書が新たに交付されることはないため、年金手帳を引き続き保管しておく必要があります。
 
平成8年12月31日までは加入制度ごとに記号番号(基礎年金番号の前身)と年金手帳が作成されていたため、今回のように「年金手帳が2冊ある」という場合、複数の年金制度に加入していた可能性があります。
 
また、被保険者資格の取得手続きをおこなった時期により、年金手帳の色に違いがあります。日本年金機構によれば、例えば、昭和49年11月から平成8年12月までに手続きをおこなった場合はオレンジ色で、平成9年1月から令和4年3月までの場合は青色の手帳です。
 
今回のように年金手帳が2冊見つかった場合、その点も確認するとよいでしょう。また、年金手帳は再交付が可能です。紛失により再交付してもらった後で以前の年金手帳が見つかるのも、複数ある理由として考えられるでしょう。
 

年金手帳の基礎年金番号が異なるとどうなる?

基礎年金番号は、加入者一人ひとりの年金加入記録を管理するための番号です。原則として、1人に1つの基礎年金番号が与えられています。
 
平成9年1月1日からはすべての年金制度に共通する基礎年金番号が付けられるようになったため、転職や退職などにより加入する年金制度が変わっても年金番号が変わらないため、年金の相談や年金の支払いが確実かつスムーズになりました。
 
しかし、青色とそれ以外など年金手帳を複数持っている場合は、年金加入記録が一本化されていない可能性があります。
 
基礎年金番号が統合されていないと年金支給額の計算に影響が出ることも考えられます。まずは2冊の年金手帳の基礎年金番号を確認し、異なっている場合は統合するための手続きをしましょう。
 

基礎年金番号が異なる場合の対処法

基礎年金番号が統合されていない場合は手続きが必要です。現在、厚生年金保険に加入中の人は勤務先の社会保険担当の人に、それ以外の人はお近くの年金事務所で手続きをしてください。
 
手続きをする場合は、すべての年金手帳と本人確認書類が必要になるので用意しておきましょう。代理人が手続きすることも可能ですが、その場合は委任状が必要となります。
 
なお、年金手帳の表紙が2冊とも青色で、基礎年金番号が異なる場合は、基礎年金番号が二重に付与されている状態です。その場合も、これまで述べたのと同様の手続きをしなくてはなりません。
 

基礎年金番号が異なる年金手帳が複数ある場合には記録が一本化されていない可能性があるので手続きが必要になることも

複数の年金制度に加入していたなどの理由で、年金手帳を複数持っている人もいるでしょう。
 
記載の基礎年金番号が同じであれば特に問題ありません。しかし、番号が違う場合は年金記録が一本化されていない可能性があり、年金支給額が正しく計算されなくなるおそれがあります。場合によっては受給額が本来もらえる額より少なくなるかもしれません。
 
そのようなことにならないよう、年金手帳が2冊以上手元にあって基礎年金番号が異なっている場合は、年金事務所などで手続きをしましょう。
 

出典

日本年金機構 基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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