母が年金は“65歳になったら自動的に支給される”と勘違いしていた! もう半年ほど経ってしまっているのですが、もらえていなかった分はどうなりますか?

配信日: 2025.09.02 更新日: 2025.10.21
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母が年金は“65歳になったら自動的に支給される”と勘違いしていた! もう半年ほど経ってしまっているのですが、もらえていなかった分はどうなりますか?
「65歳になれば年金は自動的に支給される」と思っている方も多いのではないでしょうか。実際には請求の手続きを行わなければ支給は始まりません。そのため、手続きを忘れて半年や1年経ってしまい、「もらえていなかった分はどうなるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。
 
年金は原則として過去にさかのぼって受給できる仕組みですが、5年を超えると時効により受け取れない可能性もあります。
 
本記事では、年金受給の仕組みや未受給分の扱い、必要な手続きについて分かりやすく解説します。
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「65歳になれば自動的に年金がもらえる」は誤解?

65歳になると年金を受け取れるようになる、というのは確かに事実です。しかし、65歳の誕生日を迎えたからといって自動的に口座へ振り込まれるわけではありません。実際には「年金請求書」を提出することで初めて受給の手続きが完了し、支給が始まる仕組みです。
 
日本年金機構によれば、受給開始年齢に到達する3ヶ月前になると年金請求書が送付されます。年金加入記録を確認し、必要事項を記入したうえで、添付書類を添えて提出しなければ、受給が開始されません。したがって、手続きをしなければ半年経っても1年経っても年金は振り込まれないのです。
 
このような仕組みを知らずに「65歳になれば自動的にもらえる」と誤解してしまう人は少なくありません。しかし、年金はあくまで「請求主義」です。誕生日を迎えただけでは支給が始まらないことをしっかり理解しておく必要があります。
 

受給請求が遅れたら? もらえていなかった分はどうなるの?

では、今回の事例のように半年間手続きを忘れてしまった場合、もらえなかった分はどうなるのでしょうか。結論から言うと、請求が遅れても過去にさかのぼって受給できる仕組みがあるため、半年分を失うことはありません。
 
ただし、注意しなければならないのが「5年」という時効です。年金は受給権が発生してから5年間はさかのぼって受け取ることができますが、5年以上前の分については法律上、受け取れなくなる可能性があります。
 
例えば、65歳で手続きをせず70歳まで放置してしまった場合、本来65歳から受け取れるはずだった年金のうち、直近5年分はまとめて受け取れます。しかし、6年目以降の分は時効により消えてしまい、取り戻すことができません。つまり、半年や1年の遅れであれば全額支給されますが、何年も放置すると取り返しのつかない損失になってしまうのです。
 

今すぐできる手続きと必要な書類は?

半年遅れていることに気づいた時点で、すぐに年金請求の手続きを始めることが重要です。請求方法は年金事務所の窓口に直接出向くか、郵送、あるいは一定の条件を満たした場合電子申請でも可能です。
 
提出に必要となるのは、年金請求書のほか、年金の受取口座を確認する書類や生年月日を確認する書類などです。年金請求書にマイナンバーを記入することにより、一部の添付書類は省略できる場合もあります。
 
提出した日から審査が始まり、認定されると数ヶ月以内に振り込みが行われます。請求が遅れた分についても、時効を超えていなければまとめて受け取れるので安心してください。ただし、提出する書類が不備だと審査に時間がかかるため、早めに準備し、疑問点は年金事務所などに相談してから提出するとスムーズです。
 

まとめ:請求は早めに、分からなければ相談を

年金は65歳になったからといって自動で支給されるものではなく、必ず請求の手続きを行う必要があります。半年遅れてしまった程度であれば問題なくさかのぼって受け取ることができますが、5年を超えると時効により受け取れない部分が発生する恐れがあります。
 
必要な書類をそろえて早めに手続きを進めることで、未受給分も受け取れるでしょう。もし不明な点がある場合は、自己判断せずに年金事務所や年金相談センターなどに相談することをおすすめします。
 
年金は老後の生活を支える大切な収入源です。手続きのタイミングを逃さず、分からないことがあれば早めに専門機関へ相談する姿勢が安心につながります。
 

出典

日本年金機構 老齢年金の請求手続き
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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