現在「年収700万円」の独身ですが、老後は趣味のゴルフのために年金を「月25万円」受け取りたいです。今の年収では足りないでしょうか?
今回は、年収700万円で受け取れる年金額の目安やゴルフへ毎週行く場合の費用、老後の資金作りのコツなどについてご紹介します。
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目次
年収700万円で受け取れる年金はいくらくらい?
一般的に会社勤めの人の年金額を求める場合、老齢基礎年金額と老齢厚生年金額を合計します。今回は、以下の条件で年金額を計算しましょう。
・国民年金は全額支払っている
・老齢基礎年金は令和7年度の金額
・厚生年金には平成15年4月以降に加入
・厚生年金の加入期間は22~65歳(516ヶ月)
・加入期間中は年収700万円で一定とする
・年収を12ヶ月で割った金額を報酬月額とする
・賞与は考慮しない
・報酬比例部分は老齢厚生年金額と同額とする
まず、令和7年度の老齢基礎年金額は83万1700円、月額は年額を12で割って四捨五入するため6万9308円です。
老齢厚生年金の基本的な金額は、報酬比例部分を計算すると求められます。今回の場合、報酬比例部分は「厚生年金の加入月数×0.005481×平均標準報酬額」となります。
平均標準報酬額は、標準報酬月額と標準賞与額の総額を厚生年金加入期間で割った平均値のことです。標準報酬月額は、毎月の税引き前の給料を一定額ごとに区分された報酬月額に当てはめた金額です。今回の場合は賞与を考慮せず給料が一定のため、標準報酬月額がそのまま平均標準報酬額になります。
年収700万円の場合、月収および報酬月額は約58万3333円です。標準報酬月額にすると59万円なので、報酬比例部分は「516ヶ月×0.005481×59万円」で約166万8636円、月約13万9053円になります。
老齢基礎年金額と合計すると、年収700万円で今回の条件の場合、年金額は約250万336円、月約20万8361円です。目標額を月25万円としている場合、少し足りないでしょう。
ただし、実際に43年間にわたって年収700万円を受け取るケースはあまりないと考えられます。一般的に年収は年齢とともに上がっていくため、勤務期間全体の平均標準報酬額は年齢とともに変動するでしょう。
もし自分の今の時点での目安を知りたい場合は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで年金額を確認することをおすすめします。
ゴルフを週に2回行くと年金のみで足りる?
老後は趣味を満喫したいと考えている場合、趣味にかかる費用を基に老後に必要な資金を算出することもできます。
例えば、ゴルフ仲間と毎週2回、1回1万4000円でゴルフを楽しむとしましょう。1ヶ月を4週として計算すると、かかる費用は「1万4000円×2日×4週間」で月11万2000円です。もし年金を月約21万円もらっているとすると、半額以上をゴルフのために使うことになります。
生活と趣味でゆとりを持ちたい場合は、年金だけでなく貯金もして老後資金作りが必要です。もし貯金があれば、年金額が想定より少なくても老後はゆとりを持って生活できる可能性があります。
ゆとりを持って老後資金を作る方法
まずは、先ほどの計算なども参考にして老後に必要な金額を求めましょう。その金額よりも少し多めの金額を目標にすると、ゆとりを持って老後の趣味の費用も兼ねた金額を貯金しやすくなります。
貯金をする際、まずは生活費の見直しをしてみましょう。余計な出費などがあれば控えて、浮いたお金を貯金に回します。また、貯金をする口座は普段使いの口座とは分けておくことも必要です。同じ口座にすると、いくら貯金できているかが分かりにくくなるからです。
投資信託やNISA(少額投資非課税制度)などを活用して、資産運用による老後の資金作りをしてもよいでしょう。
今の年収では目標年金額には届かないと考えられるが、貯金があれば趣味は楽しめる可能性がある
今回のケースで試算すると、年収700万円の場合、受け取れる年金額の目安は約250万336円、月約20万8361円です。もし月25万円を目標にしている場合は、不足する計算になります。
しかし、趣味のために年金を多く受け取りたいと考えている場合は、年金だけでなく貯金も考慮して老後の資金の目標額を決めるとよいでしょう。年金が目標に届いていなくても、貯金により趣味を楽しめる可能性は十分にあります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
