年金で「月15万円」は高めだと聞きました。実際に“15万円以上”もらっている人はどれくらいいるの?

配信日: 2025.09.10 更新日: 2025.10.21
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年金で「月15万円」は高めだと聞きました。実際に“15万円以上”もらっている人はどれくらいいるの?
年金は老後の生活を支える大切な柱です。受け取る金額は人によって大きく異なりますが、「月15万円もらえるなら十分では?」と考える方も多いのではないでしょうか。本記事では、公的年金の平均額や男女差、さらに15万円以上受け取っている人の割合について解説します。
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公的年金の平均額はどれくらい?

日本の公的年金は大きく分けて「国民年金」と「厚生年金」の2つに分かれます。国民年金は自営業や専業主婦などが加入する基礎的な制度です。日本年金機構の2024年度の年金額によると、国民年金の満額は約6万8000円(月額)です。
 
しかし実際には満額を受け取れない人も多く、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金の平均月額は約5万7000円にとどまっています。
 
一方、会社員や公務員が加入する厚生年金は国民年金に上乗せされる仕組みです。同調査によれば、老齢厚生年金を含む受給額の平均は約14万9000円で、男性は約16万9000円、女性は約10万9000円とされています。性別による差も依然として大きく、女性は男性の6割程度にとどまっています。
 
さらに、厚生労働省のデータをもとにした試算例では、夫が会社員として40年間厚生年金に加入し、妻が専業主婦として国民年金を受け取る場合、夫婦合わせて月23万円程度になると示されています。こうした数値を踏まえると、「月15万円」という水準は平均をやや上回るラインに位置しているといえるでしょう。
 

月15万円以上もらっている人はどれくらいいる?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢年金受給者(厚生年金を含む)の年金月額は細かな階級に分かれ、以下のような分布になっています。
 

・10〜15万円未満:全体の約20〜26%
・15〜20万円未満:全体の約20〜23%
・20万円以上:全体の約15〜16%

 
このデータから、「月15万円以上」を受け取っている人は全体の約4割から5割弱にあたり、15万円という水準は珍しいものではなく、厚生年金に長期間加入していた人にとっては十分に現実的な額といえます。
 
一方で、国民年金のみを受給している人の場合は平均が月5〜6万円程度にとどまるため、15万円に届くケースはほとんどありません。このことからも、「15万円以上もらえるかどうか」は、会社員や公務員として厚生年金に加入していたかどうかに大きく左右されることがわかります。
 

年金額に男女差や働き方の影響はあるのか

年金の受給額には男女差が明確に表れています。厚生年金の場合、男性は平均16万6000円に対し、女性は約10万7000円と6万円近い差があります。これは、勤続年数や賃金水準の違い、そして正規雇用か非正規雇用かといった働き方の違いによる影響です。
 
自営業やフリーランス、専業主婦など国民年金のみを受給する立場では、満額でも月7万円弱が限界となるため、15万円に届くことはほとんどありません。逆に、会社員や公務員として厚生年金に長期間加入していれば、15万円を超える人は多くなります。
 
このように「月15万円以上」というラインは、性別や働き方によって達成のしやすさが大きく変わる水準であるといえます。
 

まとめ

令和5年度の厚生労働省データによれば、国民年金の平均は月約5万7000円、厚生年金を含めると月14万9000円となっています。「月15万円」という水準は、この平均をやや上回るラインに位置づけられます。実際に15万円以上を受給している人は全体の約4割であり、特に厚生年金に長期間加入した男性では比較的多く見られます。
 
一方で、女性や国民年金のみの加入者では受給額が10万円を下回るケースも少なくありません。つまり、同じ「月15万円」でも、その意味合いは人によって大きく異なります。将来の生活設計を安心して立てるためには、「ねんきんネット」などを活用して自分の見込み額を早めに確認しておくことが大切です。
 

出典

日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業年報 結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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